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近鉄特急車 メモ

〈メモ〉近鉄21000系-台車枠側面の銘板形状と形式表記

こんばんは

今回の覚え書き内容は表題の通りです。

車両をよく観察している人や鉄道模型を趣味でやっている人にとっては度々気付かされる事かもしれませんが、近鉄各線で現役中の各系列・形式には、他車と比較した時の内外装の見た目で似ていたり違ったりする細かな要素が様々にあります。

車両ごとの共通点や差異は、現在に至るまで多様に見つける事が可能です。差異に関しては、他系列間のみならず同一形式間でも色々と存在しています。この違いの発生要因は、車両製造年次の違い(改良)であったり検査入場時の手入れ(機器更新)によるものであったりと様々あるように思いますが、今回は前者にあたる例として、特急車21000系の台車枠側面において見られる銘板形状とそこでの形式表記についてメモしておく事にしました。


■ 第11〈メモ〉

●近鉄21000系-台車枠側面の銘板形状と形式表記

現在の21000系は、80000系「ひのとり」の製造予定数と同じ72両が在籍しています。後者は2020年度中に全編成が高安へ搬入されそうな勢いで製造が進みましたが、前者は(1987-1990)の4年度に渡って少しずつ数を増やしました。約4年間の製造で行われた仕様変更は幾らか存在する一方、台車に関しては、特に形式変更もなく一貫して全車が[KD-97]を装備して竣工しています。

21000系の各形式は全て電動車であるため、[KD-97]はM台車のみで構成される系列です。また、4年の増備期間やその後においても形式を変える程の仕様変更・改良は行われていないようで、現在に至るまで1系列1形式に留まる存在となっています。

但し、仕様に関してはそのままである一方、台車枠側面に取り付けられる銘板とそこに記される形式(および製造所)表記に関しては、竣工年度別で若干の相違が見られます。これは21000系に限った話でもなく、同系各編成が登場した前後に竣工した別系列・別形式の車両でも同様の差異が存在します。

ただ、1980年代後半から1990年代前半に竣工した台車群の中でも特に変化要素を多く含む台車は[KD-97]であるように思います。なので、今回は21000系が履く[KD-97]の台車枠側面において見られる銘板形状とそこでの形式表記を〈メモ〉しておく事にしました。以下、各編成の竣工年度別で上記2点について触れていきます。


まず21000系の第1陣として登場した1987年度竣工車ですが、これらの車両が履く台車の銘板形状および形式表記の見た目は↑画像の通りです。表記の類は、形式と製造所&製造年度とで別々となっています。

それぞれの銘板形状に関しては、形式表記部が楕円形・製造所&製造年度表記部が角付楕円形で、前者に関してはシュリーレン台車最初期に登場した[KD-6・7]からの形状・後者は(近鉄台車だと)800系初期で採用された[KD-12]から継続している形状です。昭和時代に登場した近鉄車両の台車には、大抵、この2枚の銘板が付けられています。製造所&製造年度表記部の銘板形状に関しては、少なくとも元奈良電の680系で採用された[KD-10]までは楕円形だった模様。国鉄60系客車2両に対して試用された[KD-11]に関しては、その側面外観を確認出来ておらず形状も不明です。

続いて1988年度竣工車です。見た目は↑画像の通りで、こちらは銘板形状も形式表記も従前までの仕様から刷新されました。

まず銘板形状ですが、こちらは角が丸まった長方形に改められています(以下、この銘板形状の事を長方形と呼称)。こちらは、今までの銘板と比べると高さ・大きさがあり、その内部には形式表記の他、製造所&製造年度の表記も纏められるようになりました。これにより、台車枠側面で製造所&製造年度のみの表記を行っていた銘板が消えています。同時期に竣工した21000系以外の他系列増備車に関しても、5200系(5204F)および3200系(3207F)で同様の変化がありました。

銘板形状と表記場所に関しては、近鉄車に限らず以降も長方形で定着しており、最近竣工した80000系の[KD-323]台車も同形でした。その一方、中身の表記に関しては、数字配置・ロゴ変更・元号表記の終了など、現在までに各表記要素も若干変化しています。21000系に関しては、数字配置とロゴ変更が目立った変化としてありました。

↑画像は1988年度竣工車(21107F-C#21107)と1989年度竣工車(21108F-C#21308)の台車ですが、銘板内上部にある[KD-97]の形式表記は両者で異なる仕様となっています。具体的な相違は97の表記位置で、前者の97はKD表記横空きスペース右寄り・後者の97は同左寄りにて記されました。

21000系以外の系列・形式に関しても、1989年度竣工分で数字横に印が付かない台車に関しては左寄り表記とされています。↑画像は1230系(1231F-C#1231)の[KD-96]および26000系(26101F-C#26101)の[KD-98]ですが、共に数字表記は左寄りとされました。

現状、2桁の数字横無印表記で[右寄り→左寄り]へと番号表記位置が変化した台車は[KD-97]のみです。判断材料は少ないですが、他車の状況も鑑みると、変化の流れとしては [銘板形状を変更した1988年度は右寄りだった仕様を翌年度に左寄り表記へ改め、1989年度竣工車は同仕様を基本とした] と考えるのが妥当であるように思います。

続いて1990年度竣工車です。こちらは21000系の8両化と増結ユニットの捻出を目的に中間車だけ製造されたグループで、上述した通り、台車の銘板形状は長方形のまま変化ありません。一方、銘板内の形式表記および製造年&製造場所表記に関しては、前年度から再び変化しました。

具体的な変化内容としては、まず形式番号の表記位置が[左寄り→右寄り]へと戻りました。なので、KD表記と97表記の間には再び無記載の隙間が出来ています。続いて、台車形式下記載の製造年&製造場所が同年度より別表記へと改められました。これは近畿車輛のロゴマークが改められた事を反映した変化と思われ、従前まで[近畿@車両]のような見た目だった表記は[KS近畿車輛]のような見た目へと変わりました(以下、前者の表記を旧ロゴ・後者の表記を新ロゴと呼称)。1990年度竣工車の台車は、形式番号の表記位置が1988年度竣工車と同様になったものの、この新ロゴの表記が取り付けられた銘板の特徴となっています。

21000系と同様の変化は他系列・他形式でも起こっており、先述した26000系に関しても、26102Fの[KD-99]では番号右寄り表記かつ新ロゴ表記の銘板へと改められました。続く20000系の[KD-100]でも、番号は3桁になったものの、KD表記と番号表記の間には無記載の隙間が空けられているように思います。これは、その後に製作された養老線向け[KD-101]でも同様です。


今回の内容は、外観上の差異を視るという点では、そこそこ細かな要素への着眼であったように思います。この手の細かい要素は、もう少し詳しく観てみようと思うきっかけに偶然まみえる事も多く、その後に調べて視ようと意気込んでも実車引退済などの事情であまり分からないという事もしばしばです。ただ、後の振り返り等を考慮すれば、あまり着目されないような要素に関しても、たまには自分の分かる範囲で書き残してみようと思えます。

今回の〈メモ〉は以上です。


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近鉄電車が見える家で育った鉄道オタク。車両の差異や変遷に興味あり。鉄道の他に鳥も好きで、最近は鳩に癒される事がしばしば。