ピロのブログVer3

Ver2の続きです

近鉄一般車 車両撮影記

車体B更新および内装更新が行われた近鉄一般車2800系2817F

■ 記事概要

2019年09月18日(水)、近鉄一般車2800系2817Fが2回目の車体更新を終えて高安検修場を出場しました。外装の小変化に対して、インテリアの方は、従前のものから大きく変えられています。

この記事では、更新出場後の2817Fについて、変化が目立つ部分を簡単に紹介します。


■ 記事本文

こんばんは

今回取り上げるのは、近鉄電車。

紹介する話題は、最近の車体更新を経て、内装が大きく変化した近鉄2800系に関するものです。

第4記事目 目次

1:はじめに

〈参考1〉2800系2817F 非公式側サイドビュー

〈参考2〉近鉄2800系 各編成のB更新完了年月

2:更新出場後の外装

〈参考3〉消火器設置に伴う一般車の妻面窓埋めについて (2020.05.05時点)

〈参考3-a〉窓埋めがあった編成の高安出場時期 (2020.05.05時点)

3:更新出場後の内装

4:おわりに

5:リンク集

では、記事内容に移ります。


1:はじめに

近鉄2800系は、大阪線および名古屋線系統で活躍する区間車です。客室内の座席配列は、全てロングシートとなっており、1972年から1979年までの約7年間に全17編成が製造されました。

今回取り上げる2817Fは、2800系として最後に増備された編成です。後付けでトイレが設置されており、現在は長距離対応の急行用車として活躍しています。

さて、そんな2800系ですが、1970年代に登場した車両群という事で、1990年代中盤には、全編成に対して車体更新が実施されました。2007年度からは、2回目の車体更新(以下、B更新)もスタートしています。

2806Fを皮切りに少しずつ進められた2800系のB更新は、2015年春の時点で、2817Fを除く編成で完了。同編成もそのまま年度内に更新と思っていましたが、他一般車形式に対する2回目の更新や22000系のリニューアルが始まった関係もあってなのか、しばらくはB更新未施工の状態でした。

結局、2817FのB更新目的での高安入りは、2019年度まで待つ事に。同世代他形式車のB更新や22000系のリニューアルが落ち着きつつある事を考えると、今年度が頃合いだったのかもしれません。

2019年6月下旬に高安検修場へ入場した2817Fは、約3ヵ月の期間を経て、9月中旬に同所を出場。所属の明星検車区へ回送された後、21日(土)の0520レより運用復帰しています。


〈参考1〉2800系2817F 非公式側サイドビュー

※ 全て [大和八木-真菅/2019-09-21]

■ C#2817 [Mc]

■ C#2967 [T]

■ C#2867 [M]

■ C#2917 [Tc]


〈参考2〉近鉄2800系 各編成のB更新完了年月

  • 2801F(AX01):2008.08
  • 2802F(AX02):2008.11
  • 2803F(AX03):2008.04
  • 2804F(AX04):2009.08
  • 2805F(AX05):2009.06
  • 2806F(AX06):2008.04
  • 2807F(AX07):2008.08
  • 2808F(AX08):2012.04
  • 2809F(AX09):2014.05
  • 2810F(AX10):2013.10
  • 2811F(AX11):2014.05
  • 2812F(AX12):2014.08
  • 2813F(AX13):2014.09
  • 2814F(AX14):2014.11
  • 2815F(AX15):2015.04
  • 2816F(AX16):2014.08
  • 2817F(AX17):2019.07

ここ数年、高安検修場でB更新を施行された一般車は、内装材が大幅に変更される傾向にありますが、2817Fも例に漏れる事なく、これに該当しています。今までは、更新車両の関係で、奈良線・名古屋線・南大阪線系でしか見られなかった内装変更ケースが、2817Fの出場により、ようやく大阪線系にも登場したというわけです。

B更新後の2817F、一度どこかのタイミングで車内外を見て回れたらと思っていたのですが、幸いにも、出場から間もない時にその機会が巡ってきました。

2:更新出場後の外装

B更新前後において、全体外観はさほど変化していません。ただ、細かい変化はパッと見でも幾らか散見されます。

以下、公式側から各車両ごとで簡単に見ていきます。

※ 特記以外は [名張/2019-09-22]

■ C#2917[Tc]

一見すると、車外に大きな変化は見られません。乗務員室ドアが交換され、シール貼付で車いす等に対応する区画が出来たと分かるくらいでしょうか。

ちなみに、高安で車体更新ないし改造を終えた車両は、車体の他、スカート・乗務員ステップ・ボルスタアンカー周り等もお色直しされるようです。足回りに関しては、台車が入場前と変わらない分、綺麗になった部位が目立ちますね。

■ C#2867 [M]

こちらもパッと見では、大きな変化は見られません。屋根のヒューズボックスや床下の抵抗器が更新されています。

妻面に関しては、今回の更新で大阪方正面向かって右側の窓が埋められました。該当部分には、消火器設置の区画が取られており、外側から見て出っ張った箇所に消火器が埋め込まれているようです。

あと↑の写真では、優先席シール付きの窓が隣り合わせになっていますが、今回の更新に伴い、編成を通じて優先席の区画数が倍増しています。ここ数年、五位堂等でモケット交換をした編成に見られる傾向ですが、今となっては当該の編成数も随分と増えました。

■ C#2967 [T]

この車両も、パッと見では大きな変化はありません。トイレ上の排気扇が小型の物に交換された程度のように思います。伊勢方妻面のトイレ側にある雨樋は、何故かそのままでした(笑)

〈高安北車庫 [敷地外公道より] /2019-09-04〉

大阪方の妻面に関しては、C#2867と同様、今回の更新で正面向かって右側の窓が埋められています。窓埋めの場所については、これまでに妻面へ消火器が設けられてきた他形式車を参考(EX:8800系8801F)にすると、本来ならば、一枚窓側が埋められたのでしょう。ただ、C#2967の場合は既にトイレがあるため、今回は連続窓側が埋められたと考えられます。この内装更新スタイルが続くのであれば、次の1400系あたりがどうなるのかは、気になる所です。

■ C#2817 [Mc]

こちら先頭車も、パッと見では大阪方の先頭車と同じ感じ。少し見て目に付くのは、優先席区画の増加と抵抗器・ヒューズボックス・乗務員扉・車側灯・側扉開閉表示灯の更新あたりでしょうか。2610系2627F以降、内装材が大幅に変更された更新車は、戸先ゴムの色が黒色に変わっていますが、この編成もそれは同じです。


〈参考3〉消火器設置に伴う一般車の妻面窓埋めについて (2020.05.05時点)

一般車において、車体更新時に妻面の窓埋め&消火器設置を行った事例は、既に幾らか存在しています。最初にこれが行われたのは、名古屋線系統の2000系2019Fでした。その後、高安でB更新が行われた一般車は、全て消火器を妻面部に追設する工事が行われています。


〈参考3-a〉窓埋めがあった編成の高安出場時期 (2020.05.05時点)

[2017年度]

2017.08.28:2000系2019F(XT10)

2018.03.29:2000系2021F(XT11)

[2018年度]

2018.06.07:2000系2009F(XT05)

2018.06.19:6200系6219F(U19)

2018.11.27:8800系8801F(FL02)

2018.12.26:2000系2011F(XT06)

2019.03.29:2000系2015F(XT08)

[2019年度]

2019.06.25:2000系2017F(XT09)

2019.07.30:8600系8621F(X71)

2019.08.26:2000系2023F(XT12)

2019.09.18:2800系2817F(AX17)

2020.02.12:8800系8803F(FL04)

[2020年度]

2020.04.10:8810系8813F(FL14)


窓埋めの場所に関しては、ここ数年の更新車両を見ている限りだと、各系統線区上り側から正面向かって通路右側に限定されている様子。車両の公式側・非公式側は、特に関係がないように思います。

ここでは、上り側1位一枚窓方ないし下り側2位1枚窓方に窓埋めがあるケースを 【A】(現状の例外は、上り側1位一枚窓方および上り側1位連続窓方に窓埋めがあるケース [2817F] )、上り側2位一枚窓方ないし下り側1位一枚窓方に窓埋めがあるケースを 【B】(現状の例外は、下り側1位連続窓方および上り側2位連続窓方に窓埋めがあるケース [8621F] )としてみました。

<五位堂-近鉄下田/2019-06-13>

窓埋めは、3両編成なら一か所 [中間M車]、4両編成なら二か所 [中間MまたはT車] で実施。基本的には、制御機能が設けられていない中間車両の1枚窓側の妻面に消火器が埋め込まれています。但し、1枚窓側で消火器設置を伴う窓埋めが困難と思われる場合は、連続窓側で窓埋めが行われています。

<田原町-石見/2019-08-17>

例えば、1枚窓側の貫通路が幅広である8621Fは、中間T・M共に連続窓側の妻面が窓埋めされています。今回取り上げている2817FのC#2967 [T] も、窓埋め候補の部分がトイレ設置で既に塞がれており、連続窓側の妻面で窓埋めが行われました。上り側から正面向かって通路左側の窓は、埋められる事なくそのままです。

今後は、8810系や1400系といった車両の車体B更新および内装更新が進められていく事になるのでしょうが、これらの車両がどういう姿になるのかは、気になりますね。角屋根車体で最初にB更新を受けた8813Fは、8800系と同様のスタイルで内装更新が行われており、今後の展開に注目したい所です。


3:更新出場後の内装

内装更新後の客室は、ほとんどの部分が6200系6211F以降に出場した車両群と同仕様です。

以下、2817F特有と感じられる箇所も交えながら内装を見ていきます。

※ 特記以外は [名張or車内/2019-09-22]

C#2917 [Tc] の車内両端は↑のような感じ。6200系6211Fからスタートした、黒とグレーを基調とするロングシートの車内です。8600系8622Fから始まった、ドア付近の吊手増設や座席部へのスタンションポール取り付けといった要素も見られます。車内は、LED照明化で明るくなり、妻面側車端部には車いす等対応のスペースが設けられました。

先述した通り、2817Fは消火器設置に伴って、C#2867 [M] とC#2967 [T] で妻面の一部が埋められています。埋められた箇所は、両車共に大阪方妻面向かって右側という事で、C#2917 [Mc] の車内から伊勢方を見ると↑のような見た目に。更新によって、上り側から正面向かって右側の窓は、[(運転台窓・窓有)-(窓無・窓有)-(窓無・窓無)-(窓有・運転台窓)] という風になりました。

C#2867 [M] で消火器が設けられた妻面側は↑のような感じ。消火器設置に伴って最初に妻面埋めをした2000系2019Fや以降の同系更新車と同じスタイルです。埋められた側の壁面はスッキリしています。

伊勢方の妻面は埋められていませんが、隣り合うC#2967 [T] の大阪方の妻面が埋められており、更新前後で見た目は変化しました。

C#2967 [T] で消火器が設けられた妻面側は↑のような感じ。C#2867 [M] とは異なり、埋められた側の壁面は平ではありません。

 

2817FのMT間は密着連結器で繋がれており、ちょうど分割部という事もあってか、埋められた窓の上下には機器類が収納されていると思しき出っ張りがあります。

<橿原神宮前/2019-09-25>
<橿原神宮前/2019-09-25>

ちなみに、C#2967 [T] と同様、消火器設置で編成内車両の連続窓側が埋められた8600系8621Fの該当部分を見てみると、こちらも埋められた妻面の上下に出っ張りがあります。数や形状に関しては若干異なるようですが。

<五十鈴川/2017-02-24>

C#2967 [T] の伊勢方に関しては、従前と変わらず片側トイレ付でリニューアル。トイレ前のロングシートもそのままです。このトイレは、塩浜検修車庫にて [1987.08.18] 付けで追設されたものであり、他の急行用車と位置が異なっています。席に座っていて、トイレを出た人と目が合う仕様は変わらずです(笑)

トイレ自体についても、内外装共にリニューアルが行われています。外面に関しては、表記類や鍵が変更。内面に関しては、内装材の張り替え・便器周りの洋式化・ゴミ箱の移設・便座除菌クリーナーの追設等が行われました。改装の仕様に関しては、2014年度以降のB更新施行出場車から見られるものと同じです。床面緑タイルの和式時代と比べれば、随分と明るい雰囲気になりました。

ちなみに、妻面と隣り合わせになっているのは洗面台の方です。なので、便座に座ると伊勢方を向く事になります。

C#2817 [Mc] については割愛。最後に車両中央区画を紹介します。

といっても、仕様は8600系8622F以降のB更新車と同じです。座席中央に追設されたスタンションポールや黒色基調で統一されたドアがあり、指の引き込み注意を喚起するテープや床面のスリップ防止材は黄色で目立つ仕様に。ドア付近では、通路に対して水平方向に吊手をぶら下げる鉄棒が各ドア区画ごとで2本ずつ増えました。ノンスリップ材に関しては、2817Fの場合、A更新時に一度床色に合わせたものを設置しているので、今回の入場時に更新された事になります。


更新が明けて間もない頃でしたが、その時に車内を見て回れたのは良かったです。全体を通して、今回の更新では、とりわけ内装が大きく変わったと実感できました。

4:おわりに

以上、簡単にですが、B更新明けの2817Fについてざっと紹介しました。

個人的には、消火器設置に伴う妻面窓埋めが気になっていたのですが、2817Fも窓を埋めて出場。今後、更新を受ける車両も窓埋めしていくのかなと思っています。

2610系や2800系等に見られる、登場時から冷房付きで登場した丸顔車両のB更新も随分と進みました。残りは2000系と8800系の一部でしょうか。前者に関しては、台車の処遇も気になる所です。


昨年に発売された鉄道ピクトリアル誌の近鉄特集号には、車両の使用年数について、特急車50年・一般車60年を想定との記載がありましたが、今回B更新を終えて出場した2817Fは1979年竣工の40年選手です。まだまだ、活躍は続きそうですね。

今回の記事は以上です。

5:リンク集

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このページの内容は以上です。

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近鉄電車が見える家で育った鉄道オタク。車両の差異や変遷に興味あり。鉄道の他に鳥も好きで、最近は鳩に癒される事がしばしば。