■ 記事概要
2018年10月、「きんてつ鉄道まつり2018」が五位堂・高安の2会場で開催されました。
2019年の開催も近づいてきた今、簡単にですが、昨年の様子を一部振り返ろうと思います。今回の記事で取り上げるのは、五位堂会場の展示です。
※ ピロのブログVer2にて [2018-11-16] 付けで投稿した内容を一部リメイクして再掲した記事です。
関連する以前の記事
・「きんてつ鉄道まつり2018」 高安会場の展示と会場間シャトル列車
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■ 記事本文
こんばんは
今年も「きんてつ鉄道まつり」の時期がやって来ました。2019年度は、10月の19(土)・20(日) で催行予定という事で、いよいよ明日から開催です。
今回の記事では、このイベントの展示内容について、昨年度開催のものから一部を取り上げて紹介します。
第6記事目 目次
※ [はじめに] は前記事とほぼ同内容
1:はじめに
2:五位堂会場の展示
■ 屋外展示
■ 庫内展示
3:おわりに
4:リンク集
では、記事内容に移ります。
昨年の10月、「きんてつ鉄道まつり2018」が五位堂および高安の2会場で催行されました。
2017年度は、台風の影響で1日に短縮となりましたが、2018年度は、良い天気に恵まれ、例年通り二日間の開催。両日ないし一日で楽しまれた方も多かったのではないでしょうか。
さて、ご存知の方もいるかもしれませんが、10月14日は「鉄道の日」です。これに協賛するという事もあってか、秋の季節は、駅での催しや工場公開といった鉄道関連イベントの数が比較的多くなっているように思います。
それ故、幾つかの事業者で鉄道イベントの開催日が重複するという事もしばしば起こります。
2018年度だと、近鉄の近場での公開イベントとして、山陽の東二見や南海の千代田が被りました。
2019年度の場合は、神鉄の鈴蘭台や京阪の寝屋川が被っていますね。
昨年度の私は、掛け持ちせずに近鉄だけだったので、五位堂・高安会場共にいつもよりのんびりと見て回る事が出来ました。
今記事では、前回に続く「きんてつ鉄道まつり2019」直前の簡単な振り返りという事で、昨年度開催のイベントにおいて、五位堂会場で個人的に注目できた展示内容を紹介します。
昨年の私は特に気合を入れて早起きする事もなく、本格的な外出は開場時間が過ぎてから。五位堂会場への訪問は、催行された両日共に午後からでした。
以下、昨年の五位堂会場で個人的に着目できた展示について簡単に紹介していきます。
※ 特記以外は全て [五位堂検修車庫/2018-10-27or28]
個人的に、五位堂会場におけるメイン展示の一つだと思っている内容です。
現役の近鉄車両の内から数編成をピックアップして並べてくれるのが通例で、そのラインナップは毎年で変化。今までだと、花形特急電車を並べた王道的な並びから、その年ごとで注目されるような車両を一部織り交ぜた並びに、車種を絞ったマニアックな並びまで、様々にありました。
基本的に、晴天下で正面順光時も影が掛かりにくい、かつ撮りやすい位置で留置されるので、車両の正面や並びといった記録を考える人間からすれば、「きんてつ鉄道まつり」を毎年の楽しみにしてくれる展示の一つだと思えます。
2018年度の展示ラインナップは、左端から[2013系「つどい」・8400系8409F/21000系21111F・22600系22655F・モワ24系「はかるくん」]の5種です。台風の影響もあって一日開催となった2017年度は過去最少の4種でしたが、2018年度は通常の数に戻りました。
21000系は久々の展示となりましたが、注目枠は、共に2018年度に色を変えて登場した2013系と8400系の2車両だったように思います。
ちなみに、2018年度の展示車両は、2017年度までと違って全て前照灯を点灯させた状態で留置されていました。いつから非点灯なのか軽く調べてみた所、2003年度以来、15年ぶりだったようです。
今年はどうなんでしょうね…。長らく非点灯だった理由は知りませんが、灯けて欲しいというのが本音です。
例年と違うと言えば、もう一つ。2018年度は時間帯によって前面や側面の行先・種別等案内表示の変更がありました。27日の8409Fだと、[(ワンマン/西田原本)→白幕→(快急/大阪難波)]といった類です。8409Fに関しては、白幕の時間帯に看板を掲出して展示されていました。こちらも今年がどうなるのか、気になる所です。
「きんてつ車両写真撮影会」の右隣では、「線路まっすぐ”つくつくぼうし”」および「保線機械でUFOキャッチャー」が催行されており、マルチプルタイタンパーと材料運搬トロリーが縦列で停車していました。内容は、2017年度と同じですが、実施場所が昨年と逆転していますね。”つくつくぼうし”の実演も最近では定番となってきた感じがあります。
ちなみに、「保線機械でUFOキャッチャー」という催しは、名前がちょっと変えられてますが、2016年度までだと高安会場で行われていたプログラムです(2015年スタート)。昨年は奥側の比較的目立たない位置で行われてたので、今年は「はかるくん」の横にいる材料運搬トロリーに目が行った方も多かったのではないでしょうか。今の近鉄では、大阪側と名古屋側でそれぞれ2両ずつ在籍しているようで、高安や五位堂で展示に使われるのは大阪側のトロリーとなります。現状、2015年度以外は16-ZT-3が使われているようですね。
建屋近くでは、「休憩電車」や「あなたも車掌~」・「あなたも運転士~」に使用される車両が留置。今年は全て「シリーズ21」(5820系5851F&9020系9032F・9035F)でした。
車両写真撮影会と同じく、これらの車両も日や時間帯によって種別・行先が変えられています。
続いては検修庫内。こちらでは、車両部品に関する展示が多く行われています。展示以外でも、検修工場内で各種部品や車体が整備されている最中の光景が見られるので、メカメカしい物や雰囲気が好きな人にとっては、引き込まれる場所があるかもしれません。
以下、幾らかを少しずつ紹介していきます。
↑は通路から見えた光景。縦長のシートモケットや自立したFRP幌、そして周りにある各種の機械やダクトが工場の雰囲気を漂わせます。
通路から見える光景は幾種かあり、↑のようなパンタグラフを整備している最中の光景も。「車両機器の展示・実演」のコーナーでは、シングルアーム形のパンタグラフが昇降実演可能な状態で展示されていました。
台車がズラリと並ぶ光景も見られます。この時は、3200系や1200系が入場しており、恐らくそれらの車両が履くシュリーレン台車なのでしょう。手前側から綺麗にお色直しされた台車が多数陳列されており、見る人によっては圧巻かもしれません。
「車両機器の展示・実演」のコーナーは、例年だと電動空気圧縮機・補助電源装置の展示で定着していますが、それは今年も同様。40tクレーン側からCP2種、SIV、BLMGの順で陳列されており、CPの一部に関してはボタンによる操作も可能でした。
SIV装置に関して言えば、この時に展示された[BS483-P(120kVA)]という形式は、3200系に採用されたもので主回路素子にGTOサイリスタを使用しています。製造年月を見れば1988年8月と記載されていました。折しも、今年の鉄道まつり開催時は3200系3205Fが五位堂へ入場しており、関連で興味を抱いた方も一定数居られたのではないでしょうか。
ちなみに、近鉄でSIVが本格採用されたのは1991年度からです。東芝製BS483系列の採用に関しては、3200系以降だと、P形から出力を落として小型・軽量化を図った [BS483-Q(70kVA)] が、6419・1021・1249・1435の4形式に対して採用されています。
以降しばらくは、同社製 [INV-094] ないし三菱製 [NC-FAT] という形式の採用が続いていますが、いずれの出力も70kVA。[BS483-P]の出力を上回る大容量SIV装置の登場は、主回路素子にIGBTを使用した[INV-126(140kVA)]が3220系に採用されるまで待つ事となりました。
「きんてつ鉄道まつり2018」で展示された[BS483-P]は、内部の素子ユニットに加えて、珍しくも右端の中身(無接点制御部)も公開。過去数回の訪問時は、何れも素子ユニットしか見た事がなかったので、この時は久々のお披露目だったのではないかと思います。
SIVの隣側で展示されていたサイリスタMGに関しては、界磁枠と回転子を分けた状態で展示。8600系8619Fへ試験的に搭載されて以降、1991年のSIV本格採用までの間に登場した車両(3200系除く)に搭載された種類のMGで、この時に展示されていたのは、1201系1209FC#1309[Tc] に搭載されているものでした。
そういえば、近鉄では3200系で初めて採用されたSIVですが、このBLMGを採用する段階で一応の導入検討はあったらしいですね。どちらが先かを決めたのは、価格面だったようです。
庫内展示奥側では、「あなたも整備士!」と「電車のブレーキを握ってみよう」が催行されており、どちらも入場中であった3200系の台車が使用されていました。
前者の方は、KD93の台枠を使ってコンコンしてみようという感じ。打音検査の体験です。他にも車輪のセットや連結器なども解説シートと一緒に展示されており、そちらもハンマーで叩いて確認できる様子でした。
後者の方は、↑のような感じ。整備済と思しきKD93台車の前に運転台ぽい見た目になった操作台を置き、作用装置を通じて車輪に制輪子を当てたり離したりする事が出来ました。
「電車のブレーキを握ってみよう」の反対側には、車軸と車輪の整備を紹介するビデオが放映されており、南大阪線の16000系を例に整備の流れを知る事が出来ました。勉強になります(笑)
続いては、庫内の入場車両についてです。建屋出口前のピット線には、五位堂検修車庫の入替車・モト90形に加えて、検査を終える直前の12410系12411Fとこれから検査・お色直しと思しき22000系22103Fが居ました。
前者に関しては、12400系列で最後まで橙と紺を纏っていた編成です。系列の車両は、この編成がお色直しされた事で、全て新塗装になりました。
後者に関しては、「床下ピット探検隊」に使用。今や定番となったこのイベント、22000系が使われるのは4年ぶりだったようですね。「鉄道まつり」の後は、11月7日(水) に検査・お色直し等を終えて出場。現在は、リニューアル目的で高安検修場へ入場しており、もしかしたら、今年度は高安会場でその姿を見る事が出来るかもしれません。
クレーン実演等がある広い場所には、入場中の3200系3205Fや1201系1209Fが留置。見た目で注目だったのは、サ3300形のライト付き顔でしょうか。現在の奈良線系統車両からは省かれてしまった顔つきです。6連特急車と大阪線系統の6連一般車では、依然として採用されているようですが、奈良線系統は、5800系5803F以降の採用が見送られています。
1026系や5800系の中間車ライトは中央部に存在しますが、こちらのライトは、正面向かって右側の窓上にあります。3200系以前の奈良線系6両固定編成車としては、8600系8619Fが存在するものの、こちらにはライト付き中間車は存在しません。この時は、滅多に正面から見る事が出来ない顔を拝めた貴重な機会でした。
「制御器の実演」・「40tクレーンの実演」では、2018年時点で登場から50年を迎えた2410系2413Fが登場。後者の実演時にも今年で登場から50年という旨がアナウンスされていました。
形式登場から50年でその内の現役車両がまだ在籍しているというケースも度々ありますが、こういう場で半世紀もの間ずっと第一線で活躍している車両が次の検査・お色直しに向けて登場すると、改めて凄いなあと思わされます。
2413Fの内、制御器実演に使用されたのが C#2413 [Mc]・つり上げ実演に使用されたのが C#2513[Tc] でした。後者の実演は、毎度ながら、持ち上がっていく姿が圧巻です。上下する度に床下機器類の配置なり構造なりが観察出来るのも、このプログラムの良いところだと思えます。
持ち上がって移動した後には、台車だけが残って↑のような様子に。普段は横からしか見る機会がない台車も、この時は正面から観察する事が出来ます。
奥側のモト90形は、小学生以下限定の「電車と綱引き」に使用。この車両が使われるのも定番となってきました。
今年は、どの車両が実演に使われるのか、楽しみです。
以上、昨年「きんてつ鉄道まつり2018」の五位堂会場における展示内容について、一部を簡単に振り返ってみました。前回と同様、こちらも「~Ver2」に掲載したものから少し内容を削ったのですが、ざっと紹介は出来たのではないかと思います。
「きんてつ鉄道まつり2019」、いよいよ明日の開催となりました。
五位堂会場には、阪神なんば線開業10周年記念という事で、4年ぶりに阪神電車がやって来ます。他の展示車両ラインナップも気になる所ですね。鉄道コレクションの販売や展示車両の回送等もある事ですし、人によっては早め早めの行動になっていくのかもしれません。
肝心の天気はと言えば、予報だと両日で曇り・雨・晴れ。今、この項目を書いている時点では、香芝の天気は雨です。明日、あまり雨が降らなければ良いのですが。何にしても、今年の「きんてつ鉄道まつり」も楽しみたい所です。
今回の記事は以上です。
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