■資料概要
今回の【資料】では、近鉄8000系8083Fの車両側面について、その外観を簡単な車両変遷情報等と共に写真で紹介します。
8000系は、戦後復興期までに製作された旧性能車の代替と奈良線系統の輸送力増強を目的として1964年度に登場した区間車系列です。1979年度まで、一系列の製造数としては近鉄最多の208両が竣工しました。
製造期間中は車体等の設計変更が重ねられ、編成についてもMTユニットを基本とする4連化や8800系に準じた省エネ化などが実施されています。1990年代後半からは、老朽化に伴う廃車が開始されました。
〈参考〉 8083F構成車の変遷
※編成向き:← 橿原神宮前・近鉄奈良 (編成) 大阪難波・京都 →
※省エネ工事実施後の8083F構成車番号は白文字で表記、それ以前は青文字で表記(車両は同一)
※車両間の〔+〕表記は密着連結器
※車両間の〔-〕表記は近車製棒型永久連結器、現在は住金製へ交換済
※1M1T編成=1両の動力車/Motorと1両の付随車/Trailerで構成された列車編成
※1C4M(or8M)制御=1つの制御装置/Controllerで4つ(or8つ)のモーター/Motorを制御
●8083F登場時 [1968-1969]=2連(1M1T編成=1C4M制御)
C#8583[Tc]–C#8083[Mc]
※ク8500形[Tc]-モ8000形[Mc]/抵抗制御・発電制動
⇩
●8083F4連化後 [1969-1980]=4連(2M2T編成=1C4M制御×2)
C#8583[Tc]–C#8223[M]+C#8723[T]–C#8083[Mc]
※ク8500形[Tc]-モ8210形[M]+サ8710形[T]-モ8000形[Mc]/抵抗制御・発電制動
※中間MTを挿入した2ユニット連結固定で4両編成化(中間車に運転機器類は無し)
⇩
●8083F省エネ化後 [1980-2024]=4連(2M2T編成=1C8M制御)
C#8583[Tc]–C#8223[M]+C#8083[M]–C#8723[Tc]
※ク8500形[Tc]-モ8210形[M]+モ8083形[M]-ク8710形[Tc]/界磁位相制御・回生制動
※編成構成車の組み換えを考慮しない1C8M化で4両固定編成化(電装機器を中間車に集約し主制御器1基化)
※従前ク8500形はCPを従前サ8710形に移設
-所属形式および車番の変更は無し
※従前モ8210形は主制御器を換装(抵抗制御→界磁位相制御)し集電装置を従前モ8000形から移設(2基化)
-所属形式および車番の変更は無し
※従前サ8710形は従前ク8500形からCPを、従前モ8000形から電装機器を移設した上で界磁制御器を追設
-電装に伴う形で所属形式をモ8000形とし、車番を変更(C#8723[T]→C#8083[M])
※従前モ8000形は集電装置を従前モ8210形に、残る電装機器を従前サ8710形に移設(主制御器は撤去)
-電装解除に伴う形で所属形式を新設のク8710形とし、車番を変更(C#8083[Mc]→C#8723[Tc])
〈参考〉終
■資料詳細
第738資料目 目次
◆車両変遷情報等
◆公式側車両側面
◆非公式側車両側面
5:編成ギャラリー・スライド(各側別)
※ギャラリーの画像は、クリックするとフルサイズで表示します(別ページ表示)。
※スライドは5秒毎で自動的に移行しますが、止めて見る事も可能です。
◆公式側
◆非公式側
6:参考文献・情報
●文献
〈購入可能な文献〉
●ソーシャルメディア
7:リンク集
では、資料内容に移ります。
※このページ内における「公式側」は、車両に対して [1位 (車両側面) 2位] となっている側の事を指します。反対に「非公式側」は、車両に対して [2位 (車両側面) 1位] となっている側の事を指します。
※各車の主要装備機器(床下)および連結器の情報は、掲載している末端項目の時点に基づいた内容を反映しています。
※車両変遷情報の項目で当方が詳細時期等を把握できていない内容は、それぞれで「?」を付しています。ご承知おきください。内容を把握次第、順次反映を行う予定です。もし、過去関連の情報で何かしらご存知の方がいらっしゃれば、コメント欄にてご教示いただけると幸いです。
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省エネ改造等:1980.10 [玉川?] ※編成を界磁位相制御・回生制動化
-CP撤去 ※省エネ化したモ8000形[M]へ移設
-冷房化改造 ※CU-19を4台設置
-MG変更 ※[HG-583-Orb(8kVA)→HG-634(120kVA)]
-正面案内表示機取付 ※長山式
外板塗装変更:1986.06 [五位堂(検査入場時)] ※[マルーン単色→紅白2色]
連結器種変更(1位寄):?.? ※[HT型→CSD-90]
連結器高さ変更:1989 ※特急車&他線区一般車との統一を図る形で連結器高さを[800→880]mm化
車体更新(1回目):1990.01 [五位堂]
-内装材変更 ※9000・9200系からの仕様に準じた内装
-正面案内表示機更新 ※KSPC式
-側面行先表示機取付 ※幕式種別&行先案内表示機を設置/行灯式種別表示機は登場以来未設置
-側扉下靴擦変更 ※[鉄板→ステンレス無塗装]に交換
-故障表示灯追設
桟板変更(1位寄):1996 ※線路改良完了に伴い先頭車正面の桟板を形状変更し[2枚折→1枚]化
車体更新(2回目):1998.05 [五位堂]
-側扉上に水切り追設
-スリップ防止材追設
外板裾帯省略:2001.03 [五位堂(検査入場時)] ※側面雨樋のマルーン塗装は以降省略
連結器高さ変更:2008? ※阪神なんば線開業後の阪神車に対応する形で連結器高さを[880→860]mm化
転落防止幌取付等:?.? [五位堂(入場時)] ※段違いタイプ
ATS-SP設置・デッドマン装置更新:2012.08 [五位堂(検査入場時)]
座席モケット色変更:2016.07 [五位堂(検査入場時)] ※[(一般・優先):(赤・灰)→(白・橙)]
塩浜回送:2024.09.03 ※[西大寺車庫→塩浜検修車庫] ※2024.08より西大寺車庫にて休車
配置・所属:奈良線・東花園検車区
●当該車両の主要装備機器(床下)
補助電源装置(MG)・台車(KD-64A)
◆公式側車両側面
← 橿原神宮前・近鉄奈良 (C#8583) 大阪難波・京都 →
連結器…〔1位寄:密着連結器[CSD-90/電連付] (C#8583) 棒型永久連結器[住金製]:2位寄〕
◆非公式側車両側面
← 京都・大阪難波 (C#8583) 近鉄奈良・橿原神宮前 →
連結器…〔2位寄:棒型永久連結器[住金製] (C#8583) 密着連結器[CSD-90/電連付]:1位寄〕
◆車両変遷情報等
●車両変遷情報
竣工日:1969.11.15 [近畿車輛]
新製時配置・所属:奈良線・東花園検車区
省エネ改造等:1980.10 [玉川?] ※編成を界磁位相制御・回生制動化
-主制御機換装 ※[MMC-HTB20B(1C4M)→MMC-HTR20E(1C8M)]
-パンタグラフ追設(2位寄) ※従前Mc車から移設し[1基→2基]化
-冷房化改造 ※CU-19を4台設置
外板塗装変更:1986.06 [五位堂(検査入場時)] ※[マルーン単色→紅白2色]
車体更新(1回目):1990.01 [五位堂]
-内装材変更 ※9000・9200系からの仕様に準じた内装
-側面行先表示機取付 ※幕式種別&行先案内表示機を設置/行灯式種別表示機は登場以来未設置
-側扉下靴擦変更 ※[鉄板→ステンレス無塗装]に交換
-故障表示灯追設
車体更新(2回目):1998.05 [五位堂]
-側扉上に水切り追設
-スリップ防止材追設
外板裾帯省略:2001.03 [五位堂(検査入場時)] ※側面雨樋のマルーン塗装は以降省略
転落防止幌取付等:?.? [五位堂(入場時)] ※段違いタイプ
座席モケット色変更:2016.07 [五位堂(検査入場時)] ※[(一般・優先):(赤・灰)→(白・橙)]
塩浜回送:2024.09.03 ※[西大寺車庫→塩浜検修車庫] ※2024.08より西大寺車庫にて休車
配置・所属:奈良線・東花園検車区
●当該車両の主要装備機器(床下)
主制御器(界磁位相制御)・台車(KD-64)
◆公式側車両側面
← 橿原神宮前・近鉄奈良 (C#8223) 大阪難波・京都 →
連結器…〔1位寄:棒型永久連結器[住金製] (C#8223) 密着連結器[HT型]:2位寄〕
◆非公式側車両側面
← 京都・大阪難波 (C#8223) 近鉄奈良・橿原神宮前 →
連結器…〔2位寄:密着連結器[HT型] (C#8223) 棒型永久連結器[住金製]:1位寄〕
◆車両変遷情報等
●車両変遷情報
竣工日:1969.11.15 [近畿車輛] ※登場時の車両形式・番号はサ8710形C#8723[T]
新製時配置・所属:奈良線・東花園検車区
省エネ改造等:1980.10 [玉川?] ※編成を界磁位相制御・回生制動化
-電装 ※界磁制御器(FPC-SH40B)を追設し従前Mc車から各種の電装機器を移設([T→M]車化)
-CP追設 ※従前Tc車から移設
-車両形式・番号変更 ※車番は従前Mc車とトレード(サ8710形C#8723[T]→モ8000形C#8083[M])
-台車変更 ※[KD-64A→KD-64]/従前Mc車とトレード
-冷房化改造 ※CU-19を4台設置
外板塗装変更:1986.06 [五位堂(検査入場時)] ※[マルーン単色→紅白2色]
車体更新(1回目):1990.01 [五位堂]
-内装材変更 ※9000・9200系からの仕様に準じた内装
-側面行先表示機取付 ※幕式種別&行先案内表示機を設置/行灯式種別表示機は登場以来未設置
-側扉下靴擦変更 ※[鉄板→ステンレス無塗装]に交換
-故障表示灯追設
車体更新(2回目):1998.05 [五位堂]
-側扉上に水切り追設
-スリップ防止材追設
外板裾帯省略:2001.03 [五位堂(検査入場時)] ※側面雨樋のマルーン塗装は以降省略
転落防止幌取付等:?.? [五位堂(入場時)] ※段違いタイプ
座席モケット色変更:2016.07 [五位堂(検査入場時)] ※[(一般・優先):(赤・灰)→(白・橙)]
塩浜回送:2024.09.03 ※[西大寺車庫→塩浜検修車庫] ※2024.08より西大寺車庫にて休車
配置・所属:奈良線・東花園検車区
●当該車両の主要装備機器(床下)
界磁制御器・電動空気圧縮機(CP)・台車(KD-64)
◆公式側車両側面
← 橿原神宮前・近鉄奈良 (C#8083) 大阪難波・京都 →
連結器…〔1位寄:密着連結器[HT型] (C#8083) 棒型永久連結器[住金製]:2位寄〕
◆非公式側車両側面
← 京都・大阪難波 (C#8083) 近鉄奈良・橿原神宮前 →
連結器…〔2位寄:棒型永久連結器[住金製] (C#8083) 密着連結器[HT型]:1位寄〕
◆車両変遷情報等
●車両変遷情報
竣工日:1968.11.01 [近畿車輛] ※登場時の車両形式・番号はモ8000形C#8083[Mc]
新製時配置・所属:奈良線・東花園検車区
昇圧改造:1969.09? [玉川?] ※架線電圧[600V→1500V]化に伴い主電動機ツナギや補助回路等を変更
※昇圧後の2位寄りパンタグラフは1972年度に使用停止
パンタグラフ撤去(2位寄のみ):1973? [玉川?] ※[2基→1基]化/減数開始は1972.12以降
省エネ改造等:1980.10 [玉川?] ※編成を界磁位相制御・回生制動化
-電装解除 ※主制御器を撤去し各種の電装機器を従前T車へ移設([Mc→Tc]車化)
-車両形式・番号変更 ※車番は従前T車とトレード(モ8000形C#8083[Mc]→ク8710形C#8723[Tc])
-台車変更 ※[KD-64→KD-64A]/従前T車とトレード
-パンタグラフ撤去 ※従前M車へ移設
-冷房化改造 ※CU-19を4台設置
-正面案内表示機取付 ※長山式
外板塗装変更:1986.06 [五位堂(検査入場時)] ※[マルーン単色→紅白2色]
連結器種変更(1位寄):?.? ※[HT型→CSD-90]
連結器高さ変更:1989 ※特急車&他線区一般車との統一を図る形で連結器高さを[800→880]mm化
車体更新(1回目):1990.01 [五位堂]
-内装材変更 ※9000・9200系からの仕様に準じた内装
-正面案内表示機更新 ※KSPC式
-側面行先表示機取付 ※幕式種別&行先案内表示機を設置/行灯式種別表示機は登場以来未設置
-側扉下靴擦変更 ※[鉄板→ステンレス無塗装]に交換
-故障表示灯追設
車体更新(2回目):1998.05 [五位堂]
-側扉上に水切り追設
-スリップ防止材追設
外板裾帯省略:2001.03 [五位堂(検査入場時)] ※側面雨樋のマルーン塗装は以降省略
連結器高さ変更:2008? ※阪神なんば線開業後の阪神車に対応する形で連結器高さを[880→860]mm化
転落防止幌取付等:?.? [五位堂(入場時)] ※段違いタイプ
ATS-SP設置・デッドマン装置更新:2012.08 [五位堂(検査入場時)]
座席モケット色変更:2016.07 [五位堂(検査入場時)] ※[(一般・優先):(赤・灰)→(白・橙)]
塩浜回送:2024.09.03 ※[西大寺車庫→塩浜検修車庫] ※2024.08より西大寺車庫にて休車
配置・所属:奈良線・東花園検車区
●当該車両の主要装備機器(床下)
台車(KD-64A)
◆公式側車両側面
← 橿原神宮前・近鉄奈良 (C#8723) 大阪難波・京都 →
連結器…〔1位寄:棒型永久連結器[住金製] (C#8723) 密着連結器[CSD-90/電連付]:2位寄〕
◆非公式側車両側面
← 京都・大阪難波 (C#8723) 近鉄奈良・橿原神宮前 →
連結器…〔2位寄:密着連結器[CSD-90/電連付] (C#8723) 棒型永久連結器[住金製]:1位寄〕
5:編成ギャラリー・スライド(各側別)
※ギャラリーの画像は、クリックするとフルサイズで表示します(別ページ表示)。
※スライドは5秒毎で自動的に移行しますが、止めて見る事も可能です。
← 橿原神宮前・近鉄奈良 (8083F) 大阪難波・京都 →
1枚目:C#8583[Tc]、2枚目:C#8223[M]
3枚目:C#8083[M]、4枚目:C#8723[Tc]
← 京都・大阪難波 (8083F) 近鉄奈良・橿原神宮前 →
1枚目:C#8723[Tc]、2枚目:C#8083[M]
3枚目:C#8223[M]、4枚目:C#8583[Tc]
●文献
『私鉄車両編成表 87年版』-「改造車両一覧表」、ジェー・アール・アール、1987年9月1日発行
飯島 巌・藤井信夫・井上広和、『【復刻版】私鉄の車両13 近畿日本鉄道Ⅱ 通勤車 他』-「車歴表 (その8) 」、ネコ・パブリッシング、2002年7月1日初版発行
『SIDE-VIEW KINTETSU.2 サイドビュー近鉄.2』-「通勤車 奈良・京都線系 800~9200系-8000系」、レイルロード、2001年3月15日発行
「Ⅴ資料編 Ⅱ民鉄車両-3 1989年度(2)改造車・譲受車 近畿日本鉄道」『新車年鑑1990年版 鉄道ピクトリアル1990年10月臨時増刊号』、1990年10月10日発行、第40巻第10号 通巻534号、P298
「私鉄車両めぐり [148] 近畿日本鉄道―Ⅲ-1. 8000系〔奈良線〕」「8000系車歴表」『〈特集〉近畿日本鉄道 鉄道ピクトリアル1992年12月臨時増刊号』、1992年12月10日発行、第42巻第12号 通巻569号、P239-240/P291-293
「Ⅲ資料編 民鉄1998年度車両動向 (2)改造車」『新車年鑑1999年版 鉄道ピクトリアル1999年10月臨時増刊号』、1999年10月10日発行、第49巻第10号 通巻676号、P181
「近鉄車両―主要機器のあゆみ―」「近畿日本鉄道 現有車両主要諸元表」「近畿日本鉄道 現有車両編成表」『〈特集〉近畿日本鉄道 鉄道ピクトリアル2018年12月臨時増刊号』、2018年12月10日発行、第68巻第12号 通巻954号、P196-208/P285-299/P304-309
「大手私鉄車両ファイル2024 車両データバンク」『鉄道ファン2024年8月号付録』、2024年8月1日発行、第64巻第8号 通巻760号
〈購入可能な文献〉…2024.09.04時点
※[amazon.co.jp/楽天市場/Yahoo!ショッピング]で販売中の商品を掲載
※上記時点において、中古品含め、amazon.co.jpでのみ購入可能な商品(他は売切)は単独で掲載
※上記時点以降については、売切となっている可能性もあります
※非売・絶版やプレミア価格となっている文献の入手は、オークションや古本サイトをあたるのも手です
〈購入可能な文献〉終
●ソーシャルメディア
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このページの内容は以上です。
お久しぶりです。銭湯ファイト!です。
8A系の導入に伴い,8000系列の終焉が始まりましたね。
8083Fに続いて,8617Fが,廃車になるとは,全くの予想外でした。しかも,塩浜まで持っていくとは!
8617Fが廃車になったのは,その特異性もあったのでしょうが,8000系・8400系・8600系を問わず,検査切れの順に廃車にしていく,ということでしょうね。
それはさておき,今回,8408Fについてお伝えしたいことがあり,コメントを残すことにしました。
今回の8083Fは,モ8083-ク8583の2両編成で登場した際,昇圧前であったため,モ8083は2パンタで登場し,その後,サ8723+モ8223を挿入したわけですが,これら中間車は,昇圧後に登場したため,モ8223は1パンタで登場しました。このように,昇圧後に登場したモ8221~モ8231は,1パンタで登場し,屋根上のラインデリアの設置範囲も,それまでに2パンタで登場したモ8211~モ8220と異なり,延長された状態であったのは,シロピロさんが書いておられる通りです。
そして,実は,8408Fも,今回の8083Fと同じ登場経緯をたどっていて,モ8408-ク8358の2両編成で登場した後,サ8358+モ8458を挿入したのですが,そのモ8458は,モ8221~モ8231と同様,屋根上のラインデリアの設置範囲が延長された状態で,1パンタで登場したのです。すなわち,モ8450形の中で,モ8458だけが唯一,ラインデリアの設置範囲が延長された車両だったのです。これが,あまり知られていない事実ですので,お伝えしておきます。
その後,モ8225とモ8227を除くモ8221~モ8231,および,モ8458は,冷房改造とともに行われた回生化に伴い,延長されたラインデリアの部分が引っ剥がされ,難波寄りにパンタグラフが増設され,2パンタになったのも,ご存知の通りです。
あと1点,12410系についても,コメントを残しておきますね。
12411F~12414Fは,3両編成で登場した後,サ12561~サ12654を挿入して4両編成にしたのは,ご存知の通りですが,モ12410形+モ12460形-ク12510形ということで,3両編成で登場した際,モ12410形とモ12460形との間は,棒連結器ではなく,密着連結器でつながれていました。その後,サ12560形を挿入した際,モ12410形の連結器を密着連結器から棒連結器に取り換え,モ12410形とサ12560形は棒連結器でつながれるようになったのです。また,その際,モ12460形のパンタグラフは,ク12510形寄りからサ12560形寄りに移設されたのは,ご存知の通りです。
以上につき,ご参考にしていただければ幸いです。
銭湯ファイト!さん
お久しぶりです。コメントくださりありがとうございます。
当初非冷房で登場した車両がまだまだ残っているので忘れがち(まだまだ新しい部類と考えがち)ですが、冷房付で登場した界磁チョッパ制御以前の車両群も既に半数近くが現役50年目を迎えているわけですし、他社比較で考えれば、8Aに始まる新型一般車シリーズの投入でどの車両が廃車となってもおかしくはないのでしょうね。今春に落雷被害を受けた8611Fも修理される事なく廃車されていますし、8A系がデビューする今秋以降は、仰る通り、8600系であっても検査期限を迎えた編成から落ちていく事になるのだろうと思います。直近状況であれば、8月29日(木)に出場した8618Fが最後という事になりそうですね。
ちなみに、8617Fは最終営業日から僅かに遡る9月6日(金)早朝に五位堂へと回送されていました。前回の検査から4年以上が経過していた事もあって同目的の入場かと思いきや、実際は早々に出場してしまったようで、思い返せば、この時点でフラグが立っていたように思います。結果、先の8083Fと同様に塩浜へと回送されてしまったわけですが、よもや奈良線系統の車両が最後に自力で青山峠を越えて名古屋線まで行くとは予想しておらず、私も連続して驚かされました。恐らく、8A系の搬入とV車のリニューアルで高安の置き場所が手一杯という事なのでしょうね。塩浜到着後の各車は、部品取り後に車側灯付近で車体を2分割し、ブルーシートを巻いて搬出しているようです。近鉄車であれば、サ8167等以来10年ぶりの陸送スタイルで、現行8617Fの各車も先日から早々に搬出が始まりました。いずれやって来る未来である事は分かっていたものの、今回の廃車を端緒として、長らく慣れ親しんだ昭和40年代スタイルの車両群がいよいよ大きく数を減らすフェーズに入ったと思うと寂しいものがあります。
さて、ここからは、今回コメントの本題とも言えるご教示内容2点に関して、ご返信いたします。
まずは、8408Fの登場経緯とM車の屋上外観について、詳しく書き記してくださり感謝です。現行8408Fの先頭と中間の竣工時期に5か月のタイムラグがある事やM車が当初1台パンタであった事は、「復刻版-私鉄の車両13(ネコ・パブリッシング)」や「私鉄電車ガイドブック5(誠文堂新光社)」で認識した記憶があったのですが、明瞭な写真は未確認であったので、裏付けを強めるような形で実際「そうだった」とのコメントを頂けた事はありがたく思っております。以前コメントを頂いた頃に比べると、昔の近鉄電車を写した記録を収録する書籍は嬉しい事に随分と増えたように感じており、C#8458とほぼ同期にあたる8000系M車の登場時1台パンタの形態は「近鉄電車写真集6(リトル出版)」で確認する事が出来ますね(残念ながら、冷房改造前の8408Fモ8458を明瞭に視る事が出来る記録は未確認です)。その後に登場した8400系3連のM車は再び2台パンタに戻ったようですが、このC#8458のみ当初1台パンタであった事は、いずれ公開する8408Fの記事でしっかり反映させる予定です。
続いて、3連時代の12410系の車両間連結器種について、こちらは初めて知りました。既に8800系や8810系が4両全て半永久連結で繋ぐスタイルにて竣工していた事から、母線引き通し状態で製作された当初の12410系も同様構成で編成を組んでいると推測していた(以前の公開記事では、この認識で筆を進めた気がします)のですが、実際のところ、モ12410形とモ12460形は密着連結器での連結だったのですね。1980年代の特急車両や一般車両は、編成を中間で分割して別の編成と組む運用方法(EX:12200系の分割+12400系・2610系の分割+2800系)があったようですが、今回のご教示を耳にして、2両方をこのようなケースへ対応させる事を想定しての仕様だったのだろうかと推測させられています。3連時代のモ12410とモ12460の連結状態を明瞭に確認可能な写真を何処かで見る事が出来れば良かったのですが、そのようなピンポイントな記録は(フィルム時代であればなおの事)中々に見ないのが残念なところです。
なお、サ12560形挿入時に行われたような中間車の挿入とリンクする形で従来車の連結器種を変更するケースは、奇しくも今回廃車された8617F(サ8177-モ8667)も該当しましたね。直近の近鉄車では、これが最新の事例という事になりそうです。
以上、ご返信となります。前と変わらず、後学の身に参考となる内容を残してくださる事に感謝です。
今後においても、何か記しておきたい内容等あれば是非よろしくお願いいたしますm(_ _)m