■ 資料概要
最近の鉄道では、車両の新造や更新を行う際にLED式の案内表示機を採用する事例が増えてきました。
これらの車両を撮る時、人によっては、LED案内表示の切れ込みを気にする事になると思います。
この資料では、車両撮影時に正面のLED案内表示を切らす事がないシャッター速度をまとめました。
今回は近鉄電車編です。
※ピロのブログVer2 撮影場wikiにて掲載している内容を一部抜粋・リメイクした資料です。
■ 資料詳細
第1資料目 目次
1:近鉄特急車
掲載済の形式:12400・12410・16600・22000・22600・30000
2:近鉄一般車
掲載済の形式:1253・3220・5820・6820・7000・7020・9020・9820
掲載済の区切り:1/1000・1/400・1/250・1/125
■ LED案内機器が行先等を表示する仕組み
■ シャッター速度によって表示の写りが変わる理由
■ 切れ込みなくLED表示を写すためには
4:リンク集
では、資料内容に移ります。
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近鉄特急車の正面行先案内にLED表示方式が採用されたのは、2000年代後半からです。
新造車だと22600系と16600系が当初から装備、在来車だと22000系や12400系列群および30000系が車体更新や検修車庫入場時に既存の幕式案内表示機から交換する形で装備しています。
[シャッター速度別の早見一覧]
1/1000 ~
1/400 ~
12400系・12410系・16600系・22600系・30000系
22600系は、新造時よりカラーLEDの案内表示機を装備しています。側面は3色LEDの表示機です。こちらは、21020系と同様、LEDの寿命延長目的で、60km/h以上の速度になると消灯する仕様になっています。
近鉄一般車の正面行先案内にLED表示方式が採用されたのは、1999年登場の3220系からです。以降に新造された一般車は、全て3色LEDの行先案内表示機を採り入れています。
2018年夏からは、新造時からLED案内表示機を備える車両群に対して、その光源を [3色LED→カラーLED] へと更新する事例が出てきました。
3220系以前の在来車については、2020年9月時点において、7000系の一部と1253系1本で既存の幕式案内表示機をカラーLED式の案内表示機へと交換する事例が出ています。
[シャッター速度別の早見一覧]
1/1000 ~
※ いずれもカラーLEDへ交換された編成
1/250 ~
1/125 ~
1253系は、「シリーズ21」以前に登場したVVVFインバータ制御車において、後からの交換で正面・側面にある行先・種別案内機の表示方式を[幕→フルカラーLED]へと変更した最初の系列です。
今後、同様の変更が「シリーズ21」以前に登場した他系列に波及していく可能性もありそうですが、2021年1月時点でフルカラーLED方式の表示案内を行う車両は1253系3編成のみとなっています。
2018年夏には、表示機の光源をカラーLEDに変えた編成が登場。2019年10月時点では、全3編成中2本が交換済となっています。
7000系・7020系では、2019年春に表示機の光源をカラーLEDに変えた編成が登場。2019年10月時点で、7000系3本・7020系1本が交換済となっています。
9020系の方は、2018年秋から表示機の光源をカラーLEDに変えた編成が登場。2019年10月時点では、6本が交換済です。
1 および 2 で掲載した内容のまとめです。
[シャッター速度別の早見一覧]
1/1000 ~
22000系 / 1253系・3220系・7000系・7020系・9020系
※いずれもカラーLEDを光源とする案内表示機へ交換された編成
1/400 ~
12400系・12410系・16600系・22000系・22600系・30000系
1/250・・・
7000系・7020系
1/125・・・
3220系・5820系・6820系・9020系・9820系
LED案内機器による表示類は、設定しているシャッター速度によってはLED表示が途切れた写りになってしまいます。そのため、表示をちゃんと写そうとなるとカメラのシャッター速度を事前に調節する事が必要です。
ここでは、何故シャッター速度の速い遅いによって表示の写りが変わってしまうのかという事を、LED案内機器が表示を行っている仕組みも交えて簡単に解説します。
■ LED案内機器が行先等を表示する仕組み
鉄道車両の多くはLED表示機器に交流電源を流す事で行先等の表示をしています。
この交流電源はLED表示のみならず空調や照明にも使用されており、直流を採用する路線で活躍する車両は、MG(電動発電機)ないしSIV(静止型インバータ)を通して直流の電圧を下げ、交流へと変換する事でこれらのサービス用電源を確保しています。
ただ、知られている通り、交流電源は一定の周期で電気の流れる向き・電流・電圧が変化するため、電気の流れには電圧がプラス方向マイナス方向へ移動する事に伴う強弱が存在。目視で見るLED案内機器の表示は常時点灯しているように見えますが、実際のところは、この電圧の強弱によって(電圧が0になる事もあるわけですから)目には見えない速度で超高速の点滅を繰り返しているという事になります。
■ シャッター速度によって表示の写りが変わる理由
これは、上述の通り、LED案内表示が超高速の点滅を繰り返している事に起因します。
超高速とはいえ、交流電源から電気を得ている以上、この点滅にも周期が存在しています。よって、点滅間隔よりも早いシャッター速度で撮影してしまうと、案内表示を構成する一部のLEDは点灯していても他の部分は消灯という状態で写してしまう事になり、表示全体に切れ込みや横線が入った見た目の写りになってしまうという訳です。
■ 切れ込みなくLED表示を写すためには
以上により、LED表示を切れ込みなくきっちりと写すためには、「その表示を構成するLEDの点滅間隔よりも遅いシャッター速度で撮影する」という事が必要となります。
但し、この点滅間隔は車両(が装備する表示機器)によって様々で、必ずしも全ての車両のLED表示が高速のシャッター速度で写せるという訳ではありません。
LED表示を切れなく写そうとなると、被写体となる車両種ごとに前もってシャッター速度を調節しておく必要があり、加えて調節すべきシャッター速度を事前に把握しておく必要も出てきます。
そういうわけで、このページでは、LED表示をきっちり写したいと考えている方向けに、車両ごとで異なる点滅間隔に対応するシャッター速度を紹介しています。
〈参考〉終
今回の資料は以上です。
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