ピロのブログVer3

Ver2の続きです

近鉄一般車 車両撮影記

開業100周年記念運転が行われた近鉄生駒鋼索線宝山寺線

■ 記事概要

2018年8月29日(水)、近鉄生駒鋼索線宝山寺1号線 (生駒ケーブル) が開業100周年を迎えました。この年の夏は、節目を記念した催しが近鉄側と生駒市側で様々に実施されています。

今回の記事では、この時に開催されたイベント内容の幾つかを、近鉄側で行われた100周年記念運転を中心に紹介します。

※ 今回の記事は、「ピロのブログVer2」にて、以下のタイトルで掲載した記事を一部リメイクし、従来内容の他、新たな画像や他のイベント内容も追加したものです。

100周年記念運転が行われた近鉄生駒鋼索線宝山寺線…2018.07.31掲載


■ 記事本文

こんばんは

今回取り上げるのは近鉄電車。紹介するのは、生駒鋼索線宝山寺線 (生駒ケーブル) です。

同線は、2018年8月29日(水)に1号線が開業100周年を迎えましたが、これを記念した各種イベントが近鉄と生駒市によって開催されたのは、まだ記憶に新しい所だと思います。特に、近鉄側で開催された催しの内、宝山寺1号線と2号線を同時に運行する100周年記念運転では、中間のすれ違い地点でケーブルカー4両が複々線上で一堂に並ぶ光景が展開。報道で見て印象に残っている方も多いのではないのでしょうか。

私自身、この時の記念運転は印象に残っており、前の「ピロのブログVer2」でも早い内に取り上げていたのですが、こちらの記事はヤフーブログのサービス終了で既に消滅済。記念運転から1年半少しが経過した先日、久々に生駒ケーブルに乗車して以前の記事の事を思い出したので、今回改めて取り上げる事にしました。なお、再掲にあたっては、そのまま掲載するのではなく、構成を一部手直し&情報追加した上でリメイクしており、今回の記事では、100周年記念運転の他、その後に行われた別イベントにも少し触れます。

第13記事目 目次

1:生駒ケーブル100周年キャンペーンの概要

2:100周年記念運転

3:100周年記念HM・装飾

4:100周年記念展示

5:おわりに

6:リンク集

では、記事内容に移ります。

1: 生駒ケーブル100周年企画の概要

生駒ケーブル100周年イベントの開催に際しては、最初のイベント開催予定の約1ヶ月前である2018年6月19日付で、近鉄と生駒市の名前を付したイベント案内のプレスリリースが発表されています。以下、プレスリリース冒頭より内容を抜粋し、イベント開催の経緯として紹介します。

生駒ケーブルが、今年の 8 月 29 日に開業 100 周年を迎えることを記念して、近畿日本鉄道と生駒市 が協力し、7 月 21 日から「生駒ケーブル 100 周年キャンペーン」を実施いたします。 生駒ケーブルは日本最初のケーブルカーとして、1918 年 8 月 29 日に営業を開始しました。当初、宝 山寺(生駒聖天)参拝の利便性向上のため、宝山寺線(鳥居前-宝山寺間)が開業し、1929 年に生駒山 上遊園地の開業に合わせて山上線(宝山寺-生駒山上間)が開業しました。太平洋戦争中には生駒山上に 海軍基地が設置され、営業を休止した時期もありましたが、駅設備や車両等の更新・改良を重ねながら、 この 100 年間営業を続けてきました。現在も、宝山寺や生駒山上遊園地へお越しのお客様に加え、通勤・ 通学といった生活路線として沿線のお客様にもご利用いただいています。 これまで生駒ケーブルをご愛顧いただいた皆様に感謝を表すと共に、生駒の発展と共に運行を続けてき た生駒ケーブルの 100 周年を祝い、様々な記念イベント等を実施いたします。

近畿日本鉄道株式会社 生駒市 『~ 皆様に愛され、この夏100周年を迎えます ~
「生駒ケーブル 100 周年キャンペーン」を実施します!
』 2018年6月19日 より引用

以上のような経緯から、100周年記念イベントを開催する運びとなったようですが、プレス発表の名前にもある通り、 イベント催行の主体は、近鉄側と生駒市の2者です。両者が協力して100周年祝福の気運を高めるようで、近鉄側が主体となる方のイベントは、所有するケーブルカーや関連施設を使う内容でした。100周年記念運転も近鉄側のイベントです。以下、プレスリリースから近鉄主体のイベント内容が記された項目を抜粋して紹介します。

1.「生駒ケーブル 100 周年キャンペーン オープニングセレモニー」を鳥居前駅で実施 (7 月 21 日)

2.記念ヘッドマークを宝山寺線車両の「ブル」および「ミケ」に掲出 (7 月 21 日~2019 年 8 月 30 日)

3.鳥居前駅で発売する乗車券を 100 周年記念特別デザインに変更 (7 月 21 日~2019 年 8 月 29 日)

4.宝山寺駅改札内で、開業時から現在に至るまでの資料を展示 (7 月 21 日~9 月 30 日)

5.「生駒ケーブル 100 周年記念 リアル謎解きゲーム」を実施 (7 月 21 日~9 月 30 日)

6.普段は見ることが出来ないケーブルカー施設の「施設見学会」を実施 (7 月 21 日)

7.記念入場券、記念グッズ等を発売 (7 月 21 日~)

8.生駒山上遊園地において「ブル」・「ミケ」をイメージした「『ブル・ミケ』ソフトクリーム」を発売 (7 月 21 日~9 月 30 日)

9.生駒ケーブル開業日を記念して、鳥居前駅からご乗車のお子様にサンバイザーをプレゼント (8 月 29 日)

10.「生駒ケーブル 100 周年記念撮影会ツアー」を実施 (9月29日)

近畿日本鉄道株式会社 生駒市 『~ 皆様に愛され、この夏100周年を迎えます ~
「生駒ケーブル 100 周年キャンペーン」を実施します!
』 2018年6月19日 より引用

上記の通り、8月29日(水) の生駒ケーブル開業100周年記念日に対して、近鉄側のイベントは7月21日(土) からスタート。多くの内容は、この日ないしこの日からしばらく実施する設定であり、宝山寺線2線同時運行の100周年記念運行は、「生駒ケーブル 100 周年キャンペーン オープニングセレモニー」に含まれていました。以下、今回の記事では、この2線同時運転の事を内容の主とする他、100周年記念で用意されたHMや資料展示の事も併せて取り上げます。

2:100周年記念運転

生駒ケーブル100周年記念企画は、2018年7月21日(土) から9月30日(日) までの約2ヶ月間で様々な実施内容が用意されましたが、その中で最初に行われたのが「生駒ケーブル 100 周年キャンペーン オープニングセレモニー」です。目玉の一つは、宝山寺1号線・2号線の同時発車運行で、鳥居前では、その運転前に記念式典が行われました。以下、この項目では、100周年記念運転前後の様子を紹介します。

〈鳥居前 [改札外] /2018-07-21〉

当日のオープニングセレモニーは11時から開催で、その少し前の10時30分からは生駒ケーブル100周年を記念した入場券や記念品の販売がスタート。グッズ販売の類は改札外奥側で行われており、改札口周辺は物販等がないスペースとなっていたものの、この区域も改札内で行われるセレモニーを見ようとする人たちが続々と集まって次第に狭くなっていきました。セレモニー開始時点で、鳥居前構内は人でいっぱいという状況です。

〈鳥居前 [改札外] /2018-07-21〉
〈鳥居前 [改札外] /2018-07-21〉

開始予定定刻の11時になると、司会によるアナウンスがスタート。切符を持っている人は改札内で・物販に並ぶ人や切符を持たない人は改札外で、その様子を眺める事となりました。駅の建物の方は、少し前から100周年記念の装飾が行われていましたが、セレモニー時は、それに加えて改札内に舞台やくす玉が用意されています。式は、くす玉を前に近鉄や生駒市の関係者による挨拶から始まりました。

記念運転の方は、式の開始から20分後に実施という事であったので、この時の私の方は関係者の挨拶を少し聞いた辺りで駅構内から一旦離脱。そこから宝山寺線沿いの道路を上って撮影予定の場所まで行きましたが、記念運転で見られる「同時営業・同時発車とそれに伴う4並び」は、やはり他の人にとっても着目出来る内容だったようで、踏切近くや線路沿いには、既にカメラや動画機材を持った人を多く見かける事となりました。

〈鳥居前-宝山寺/2018-07-21〉

ちなみに、通常では行わないやり方での客扱いに普段からは考えられないカメラ持ちの数という事もあって、運転が始まる前の離合場所では線路の念入りなチェックがあったり、各所の踏切では安全確保のための人員配置があったりと、記念運転時刻が迫る頃になれば、ケーブル関係者による万全を期すべくした対応姿も目立っていました。

〈鳥居前-宝山寺/2018-07-21〉

当初より20分の予定で開かれた式の方も順調に内容が進んだようで、11時26分になると、カラカラカラッと鋼索の動く音が。間もなく鳥居前方を見てみれば、ゆっくりと、しかし着実に2つの車両がほとんど同時で坂を上って来ました。駅では式典を見ていた人たちによるお見送り、1号線車両『ミケ』にはセレモニーに参加していた「いこまこども園」の園児たち、2号線車両『白樺』には式典を見た後に車両へ乗り込んだ多数の乗客…と、上側から見れば正に人・人・人といった雰囲気です。正月含め今まで何度か鋼索線へ赴いた事はありましたが、鳥居前の構内とケーブルカーの車内とがここまで活気づいている様子を見たのは初めてでした。個人的には、この光景も100周年イベントのハイライトシーンだと思っています。

〈鳥居前-宝山寺/2018-07-21〉

見ての通り、鳥居前側からの車両は、1号線がコ11形C#12「ミケ」、2号線がコ3形C#4「白樺」です。セレモニー開始直前の宝山寺線は、2号線を使用して運行が行われており、その間、コ3形の2車両が上下を行き来していました。なので、この時は、2号線が通常運行で1号線が臨時運行という扱いだったと考えられます。

〈鳥居前-宝山寺/2018-07-21〉
〈鳥居前-宝山寺/2018-07-21〉

同時営業・同時発車という事で、両線の離合場所では鳥居前を出た先の2車両と同刻に宝山寺を出た2車両がそれぞれで離合。この時、宝山寺第3号踏切の宝山寺寄りで4車両がズラリと並びます。同時発車を行う時ならではの光景で、こちらも滅多に見られるものではありません。

ちなみに、公式告知アリの4並び実現運転が前回に行われたのは生駒ケーブル90周年の時です。実施日は、ちょうど宝山寺1号線が90周年を迎える8月29日~31日の3日間で、各日11時台から3本というやり方で4並びが実現していますが、この時の2号線は客扱い無しだったようです。

それよりも前に客扱い含む4並び実現運転が行われたのは、1号線車両更新時の2000年で、1999年度を以て引退したコ1型の「さよなら運転」時に2号線も稼働して4並びとなっています。公式なアナウンスがあったのかどうかは分かりませんが、コ1型による1号線営業が終了となる正午の1時間前から同時営業・同時発車が行われたらしく、同時運転で双方の客扱いを行ったのは、この「さよなら運転」時が開業以来で初めてだったそうです。90周年時が片線客扱い無しの同時発車だったとなれば、100周年時に行われた両線客扱い有の同時営業発車は2000年以来約18年ぶりという事になります。

〈生駒山麓公園/2018-07-29〉

ちなみに、2000年の「さよなら運転」で引退したコ1形2両の内、トップナンバーのC#1「いのり」は、営業離脱後に生駒市へ寄贈され、現在は生駒山麓公園にて静態保存されています。今までの活躍車両数に対し、他大手と比べれば圧倒的に保存車が少ない近鉄ですが、そんな中での貴重な保存車の一つです。この車両の事も、また別記事で取り上げたいと考えています。

〈鳥居前-宝山寺/2018-07-21〉
〈鳥居前-宝山寺/2018-07-21〉

離合場所ですれ違った後は、車両が入れ替わって宝山寺発の2両が鳥居前へ。鳥居前構内はまだ多くのギャラリーで賑わっていたように思いますが、改札内は早くも人数少なくといった様子でした。プレスリリースにあった通り、同時営業・同時発車はこの一回のみだったので、2000年や2008年の時のような複数回の4並び実現運転は行われませんでした。ただ、一回の運転であれ、貴重な光景を見る事が出来たのは間違いありません。

3:100周年記念HM・装飾

100周年記念運転が終了して少しすると、再び鋼索が動き出して1号線が稼働。記念運転時の「ミケ」に乗車していた園児たちが同じく「ミケ」に乗って下山してきました。前項では、同時発車や並びばかりに言及しましたが、この日から1号線車両にはHMの掲出が始まっています。

〈鳥居前-宝山寺/2018-07-21〉
〈鳥居前/2018-08-29〉

HMには、事前に発表されていた通り、生駒ケーブル100周年キャンペーンマークとして制定されたデザインが表現されていました。イベント前は、どうやって掲出するのかが気になっていましたが、結果は↑の通りで、「ブル」と「ミケ」のゴーグル部分にキャンペーンマークを印刷したアクリル板を引っかける体裁となっています。

〈宝山寺/2018-08-29〉
〈鳥居前-宝山寺 [車内] /2018-08-29〉

また、キャンペーン期間中の8月下旬には、6月中旬に発表された分とは別のプレスが追加で発表され、100周年記念日である8月29日(水) に限って、開業時の生駒鋼索鉄道の社章を模したデザインのHMが1号線車両に装着されました。この日は、1号線の「ブル」と「ミケ」に対する装着でしたが、その1か月後に開催の「生駒ケーブル100周年記念撮影会ツアー」時には、2号線の「すずらん」と「白樺」にも同じHMが掲出されています。

〈鳥居前-宝山寺/2018-08-29〉
〈鳥居前-宝山寺/2018-08-29〉

100周年記念のHMについては、以上の2種類ですが、他にもキャンペーン期間中の1号線車両側面には、100周年をPRする長方形のラッピングが配されていました。貼り付けられたラッピングシートは、クリーム一色背景に「ブル」・「ミケ」の絵柄と文字だけというシンプルなデザインで、文字の方は「大正 ~ 昭和 ~ 平成 そして未来へ おかげさまで百周年 生駒ケーブル宝山寺線」と書かれています。この時点では、平成の次の元号が明らかになっていなかったので、「~未来へ」との記載でしたが、今なら「~令和へ」と書かれるのでしょうね。

以上のHMおよび装飾は、PRのためか、キャンペーン終了後もしばらくそのままで、開業101周年を迎える2019年8月下旬まで記念姿を見る事が出来ました。

4:100周年記念展示

〈宝山寺/2018-08-29〉

一方、100周年記念運転と同時期には、生駒市側と近鉄側の両方で生駒ケーブルの歴史に触れた資料展示が行われました。展示場所は、共に生駒ケーブル発着駅の近くで、前者が生駒市生駒駅前図書室、後者が宝山寺駅改札内です。生駒市図書室の方は、セレモニーより少し早い18日(水) から、宝山寺駅改札内の方はセレモニーに合わせた21日(土) からの展示で、資料展示の充実度については、写真・実物等含めて後者が圧倒していました。この項目では、宝山寺駅改札内での展示について少し触れます。

〈宝山寺/2018-08-29〉
〈宝山寺/2018-8-29〉

改札内の展示という事で、当初は宝山寺線と山上線の間にあるコンコースの一区画で展示するものと思っていたのですが、実際は、トイレの横に展示用の部屋が開設されていました。部屋の中からは、宝山寺線の乗り場が見えます。クーラーはなく、室温調整は送風機で行われていました。

〈宝山寺/2018-8-29〉
〈宝山寺/2018-8-29〉

幾らかあった展示品の中で個人的に注目出来たのは、車両関連の情報を含むものです。この時の展示品目では、特に山上線車両に関する内容が多く、コ5形の今昔を写した写真や車両部品、現行コ15形との車両入替時の記録など、今まで知らなかった事含めて多くの情報をこの時に知る事が出来ました。次また同様の展示機会があるのであれば、コ3形の車体塗り分け変遷やコ1形の引退前後記録等を始めとした、宝山寺線車両関連の内容も見てみたいと思えます。

そういえば、今年は近鉄創業110周年に当たる年ですが、何かあったりするのでしょうかね。それも含めて、今後のイベント機会に期待したいと思います。

5:おわりに

〈鳥居前-宝山寺/2018-07-21〉

以上、1年以上前の話となりますが、生駒ケーブル開業100周年記念運転時の様子を関連内容幾つかと併せてざっと取り上げました。宝山寺1号線と2号線の同駅同時発車は、滅多に見られる光景ではないようなので、私の他にも多くの記録者が居た事をよく覚えています。次またやるとすれば、開業110周年時という事になるのでしょうかね。また、見に行く事が出来るなら、訪問したいと思えます。


ところで、生駒ケーブルとは別に、近鉄のケーブルカー絡みで新たな動きがありましたね。昨秋、かつての東信貴ケーブルで活躍していたコ9形の保存車C#9 が信貴山下駅前で展示される事が決まりましたが、移設日・展示開始日が決定した後、先日3月14日(土) から15日(日) にかけて、元の保存先である町立三郷北小学校から駅前まで陸送されたようです。展示開始を記念した式典については、昨今の状況を考慮して中止になったものの、展示自体は、3月28日(土) からスタートするとの事。こちらも展示が始まったら、一度見に行きたいと思えます。

今回の記事は以上です。

6:リンク集

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このページの内容は以上です。

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近鉄電車が見える家で育った鉄道オタク。車両の差異や変遷に興味あり。鉄道の他に鳥も好きで、最近は鳩に癒される事がしばしば。