こんばんは
今回の覚え書き内容は表題の通りです。
車両をよく観察している人や鉄道模型を趣味でやっている人にとっては度々気付かされる事かもしれませんが、近鉄各線で現役中の各系列・形式には、他車と比較した時の内外装の見た目で似ていたり違ったりする細かな要素が様々にあります。
車両ごとの共通点や差異は、現在に至るまで多様に見つける事が可能です。差異に関しては、他系列間のみならず同一形式間でも色々と存在しています。この違いの発生要因は、車両製造年次の違いであったり工場入場時の更新によるものであったりと様々あるように思いますが、今回は後者にあたる例として、22600系における車外行先案内表示機での英字表記におけるマクロンの有無についてメモしておく事にしました。
■ 第19〈メモ〉
●近鉄22600系-行先案内英字表記におけるマクロンの有無
22600系は、車体正面および側面にて常設されている行先案内表示機(3色LED式)を用いて列車の行先案内を行っている系列ですが、今〈メモ〉のタイトルからも分かる通り、ここで表示される英字の行先案内には、マクロン(※1)が有る場合と無い場合とで2種類の表記方法が存在しています。
(以下、wikipediaより説明を引用)
マクロンは、ダイアクリティカルマーク(発音区別符号)の一つで、長音記号ともいう。
…(中略)
■概要
マクロン (英語: macron) の名は古典ギリシャ語の μακρόν マクロン 「長い」(中性)に由来する。
…(中略)
その後、母音の長短が失われた後に、学習者や研究者が母音の長短を区別するための補助記号としてマクロンを用いた。また、古英語など他の言語に関しても、同様の用途でマクロンを用いることがあった。
現代において、母音の長短を区別する言語のいくつかでは長母音にマクロンを加える。
…(中略)
■日本語をアルファベット表記した場合の長音
日本語をアルファベット表記する方法として各々の音を最大限尊重するヘボン式ローマ字が最も普及している事情もあってか、日本語の長音を表記する場合もヘボン式ローマ字に長音符マクロンを付加する方法が最も普及している。行政や交通機関における地名表記、外国人向けの日本語教育など、多くの分野で、このヘボン式ローマ字に長音符マクロンを付加する方式が採用されている。
出典: 「マクロン」―フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』(2021.06.12閲覧)
近鉄線内で名前に長音が含まれる駅としては、特急停車駅だと[大阪難波・大阪上本町・京都・橿原神宮前]等が挙げられます。いずれも列車の始発駅・終着駅として機能するため、行先案内でこれらの駅名が正面・側面の行先案内表示機に掲示される事は日常です。
但し、現行22600系の場合、これらの駅名が英字で表現される際は、その長音部分にマクロンが有る場合と無い場合があります。例えば、京都行きであれば、英字の[O]の上に[¯]がある場合とない場合があり、これは、大阪難波や大阪上本町の英字[O]でも同様です。橿原神宮前の場合は、英字[U]の上で[¯]の有無が分かれます。
上記で述べた表記の差異は、現状、編成によって異なっています。すなわち、[22651F-22652F&22601F-22602F]の4編成が英字表記に際してマクロン無・それ以外の編成がマクロン有となっています。この表記の違いは、22600系の登場当初から存在していたわけではなく、マクロンが付されない方は、後年になって出現した新しい表記です。
2008年度および2009年度に製造が行われた22600系は、両年度竣工車で若干の差異は散見されるものの、表記そのものに関しては、特に大きな違いはありませんでした。現在はマクロン無の表記となっている1次車も、当初はマクロン有の表記で営業を行っています。
マクロン有の表記がマクロン無の表記へと改められた時期に関しては、正確には分からないものの、変更編成が1次車含む阪神線直通対応車に限られている事を踏まえれば、恐らく2013年度末なのではないかと思います。すなわち、近鉄車両が阪神線へ乗り入れた際の終着駅である(阪神)三宮駅が駅名変更で(阪神)神戸三宮へと改められる前に、マクロン有の表記もマクロン無の表記へと変更されたのではないかと思います。
このように考えるのは、同時期の一般車で見られた表記の変更が念頭にあります。具体的に言うと、駅名を[三宮→神戸三宮]とする改称実施の直前期には、新駅名の表示案内に対応すべく、各所のLED表示に対して短期間一斉のROM更新が行われており、この時、阪神線直通対応の一般車でLED式の行先案内表示機を持つ「シリーズ21」各系列では、正面・側面の行先案内表記が改められました。
この時の変更では、新駅名である神戸三宮の表示が追加された事はもちろんですが、他にも長音を含む駅名の英字表記からマクロンが消されています。例えば、[大阪難波]であれば英字[O]の上、[橿原神宮前]であれば英字[U]の上から[¯]が無くされました。
この長音を含む駅名の英字表記にマクロンを付けない仕様は、現在のデフォルトとなっているようで、最新の80000系「ひのとり」や車体更新を受けた22000系「ACE」のLED案内表示では、[大阪難波]や[橿原神宮前]といった駅名の英字表記に[¯]が付されていません。これら以前でマクロンを付けない表記に対応した系列としては、上述22600系「Ace」や50000系「しまかぜ」が挙げられ、恐らく、50000系が登場する辺りからマクロンを付けない表記とする方針が(駅でも車両でも)確立されたのではないかと思います。
「しまかぜ」登場以前における駅名の英字表記に関しては、特急車でも一般車でも、マクロン付が基本となっています。例えば、2009年3月に実施された近鉄難波・近鉄上本町の駅名改称で両駅名に正式に[大阪]が冠せられた際、その後しばらく行われた表示幕更新では、マクロン付の幕が普及しました。但し、近年行われている更新では、マクロン無の幕で入れ替える事にしているようなので、現状方針維持であれば、マクロン付の幕は、いずれマクロン無の幕に代替される事になると思います。
特急車に関しては、難波・上本町の両駅に大阪が冠せられる以前より[大阪難波]・[大阪上本町]と案内する行先案内板(EX:12200未更新)や幕(EX:12200更新/”大阪”は縦表記)が存在していますが、これらに併記された英字に関しても基本的にはマクロン付の表記です。但し、全ての表記にマクロンが付けられていたというわけでもないようで、行先案内板に関しては、[京都]や[橿原神宮前]の英字表記だとマクロンがありません。[大阪]以外にもマクロンが付されるようになった時期は不明ですが、これに関しては、一般車の行先案内表記に英字が併記されるようになってからなのではないかと個人的には思います。
ところで、少し話は逸れますが、上述したマクロン無しの英字表記を行う22600系4編成に関して、個人的に気になる事の1つに「三宮」表示の現況があります。
汎用特急車としては、初めて新造時点でLED式案内表示機を常設した22600系ですが、同系には当初より”阪神三宮”の表示設定が存在しており、これは、同系各編成の登場と近い時期に正面・側面の行先案内表示機がLED式の物へ変更された12400・12410系やこれら2系列より少し後に交換が行われた30000系にも当てはまります。同設定は、現在も維持されているようで、”阪神三宮”の表示に関しては、近年だと車庫での留置時(EX:12410・22600・30000系)や「きんてつ鉄道まつり2018」五位堂会場の車両展示(=22600系22655F)でも見る事が出来ました。
以上挙げた4系列では、LED表示の設定内容が共通している故なのか、長音を含む駅名の英字表記もマクロン付とされています。一方で、先述した通り、22600系で阪神線直通運転に対応する4編成に関しては、同線直通対応の「シリーズ21」と同様、マクロン無の表記へと改められました。もし、これらの編成におけるLED表示の設定内容が「シリーズ21」等と共通していると仮定したなら、従来まで”阪神三宮”としていた表示は、マクロンが表記から無くされたと同時に”神戸三宮”へと変更されているのではないかと個人的には思うのですが、それを案内として出している光景はまだ見た事がありません。
現状、近鉄特急が阪神線へ乗り入れる機会は、貸切列車運行時以外に存在しないので、”阪神三宮”ともども、特急車が「三宮」表示を正式に出す機会は今のところ設けられていないわけですが、マクロン無となった4編成が実際に”神戸三宮”を表示出来るのかどうかは気になる所です。
今回の内容は、色々と車両を視たり撮ったり比較したりしていく中でふと気づかされるような要素への着眼でした。この手の要素は、撮ってすぐ気づかされた時には違和の感覚を強く意識する事が多いのですが、一方で、私個人は「何か他と違う」と認識する事に留まって一旦は感覚の流れを終わらせる事が多いので、その後の比較等を交えた整理を後回しにしてしまう事がしばしばです。
ただ、コロナ禍の今は、在宅であれやこれやと考える時間も確保しようと思えば十分に取れるので、これまでに蓄積された着目要素で書き残しておきたいと思うような話題があれば、また〈メモ〉なり〔雑記〕なりへ反映してみようと思えます。
今回の〈メモ〉は以上です。
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