ピロのブログVer3

Ver2の続きです

近鉄一般車 メモ

〈メモ〉近鉄2410系-先頭車正面貫通扉の取手

こんにちは

今回の覚え書き内容は表題の通りです。

車両をよく観察している人や鉄道模型を趣味でやっている人にとっては度々気付かされる事かもしれませんが、近鉄各線で現役中の各系列・形式には、他車と比較した時の内外装の見た目で似ていたり違ったりする細かな要素が様々にあります。

車両ごとの共通点や差異は、現在に至るまで多様に見つける事が可能です。差異に関しては、他系列間のみならず同一形式間でも色々と存在しています。この違いの発生要因は、車両製造年次の違い(改良)であったり車体更新時の手入れによるものであったりと様々あるように思いますが、今回は前者にあたる例として、一般車2410系の先頭車正面貫通扉に常設されている取手について、見た目・同形取手の波及状況・各取手付き貫通扉の折り畳み光景の3点を中心にメモしておく事にしました。


■ 第18〈メモ〉

●近鉄2410系-先頭車正面貫通扉の取手

2410系は、1967年度から1972年度まで大阪線系統へ投入された抵抗制御の一般車です。大半は2両編成ですが、単独で増結運用に回るTc車や2430系の中間M・T車を組み込んだ4両編成も製作されました。全体では45両が製作がされ、2021年5月時点でも42両が現役中です。廃車された車両の内、2411Fに関しては、2006年度に電気検測車「はかるくん」に改造されており、同編成は現在も各線区にて活躍を続けています。

さて、既に現役車両の大半が竣工から50年以上経過した同系ですが、一定期間に渡って製作されたという事あってか、竣工年度別で見てみると車体・車内・屋上・床下といった各所に幾らか差異を見つける事が可能です。先頭車正面貫通扉に常設されている取手もその内の1つで、形状に関しては2種類に大別する事が出来ます。

※上段:C#2412・下段:C#2414

2種類の取手は、↑のような見た目となっています。上段はC#2412・下段はC#2414の正面を写したもので、前者は捻る機構が付いていないドアハンドル(=以下、「スティックハンドル」と呼称)・後者は車両内外から捻る事を可能とする機構が付いたレバーハンドルです。2410系の先頭車貫通扉に常設されている取手で多数を占めるのは後者のタイプで、2414F以降に製造された先頭車は全てレバーハンドルを装備して竣工しています。

以下、レバーハンドル・スティックハンドルの順で、その外観・同形取手の波及状況・各取手付き貫通扉の折り畳み光景(=他車との連結に際して、正面貫通扉を乗務員室仕切り扉と重ね合わせて運転台区画を封じ込める時の様子)の3点を中心に、それぞれの取手について取り上げます。


先ずはレバーハンドルです。同様のハンドルは、後年に製造された系列においても広く採用されており、設置位置の差はあれど、現在も各線区で活躍している多くの先頭車で見る事が出来ます。

※C#2514
※C#2522

↑はC#2514およびC#2522のレバーハンドルで、共に車掌台寄りに装着されています。扉を開閉する際は、レバーを軽く[⤴]方向へ上げるようです。また、このレバーハンドルは、裏側(=乗務員室内)のハンドルと連動する機能を持っており、開扉された際には、扉側にラッチ・車体側の縦枠にラッチ受が常設されているのを確認出来ます。

※左:C#8616・右:C#1239
※C#9126

正面中央に備える貫通扉の取手をレバーハンドルとする仕様は、近鉄高性能一般車群だと、改造車(モ1450形~)でも新造車(1460・6800系~)でも当初から採用されており、長らく近鉄一般車における取手の基本仕様として定着してきました。こうした中におけるレバーハンドルの変化としては、レバー設置の起点方向や設置位置の変更が挙げられます。

前者に関しては、一時的な変更として、当初半室式運転台で竣工した1470系・1600系(1次車)・6441系が[|]方向起点から[-]方向起点のレバーとされました。後者に関しては、室内の乗務員室仕切り扉(=以下、「中央仕切り扉」と呼称)の幅や取手位置の変更に伴う形で位置を移していると思われ、時代によって正面貫通扉の窓下や窓横へ取手が移動しています。その後、最新車両が「シリーズ21」となった現在は、握り部が外側に凸となるハンドルが採られなくなり、代わりに埋め込み式のハンドルが採用されるようになりました。

※手前:C#2427・奥:C#9303

さて、正面に貫通扉を備える多くの現行近鉄車両は、他車両との連結時に運転台区画の封じ込めを行いますが、レバーハンドル付き貫通扉を備える車両の大半は、当該貫通扉の上に中央仕切り扉を重ねる方法で区画封鎖を行う仕様が採られています。このスタイルは、全室式運転台を当初から採用した車両の基本仕様とされたようです。

820系(1次車)や1960年代中盤に竣工した車両群(EX:1800・2400・6000系)に関しては、上記とは別の方法が採られていますが、これらに関しては、後半のスティックハンドルを取り上げる箇所で扱う事とします。

※C#2427
※C#2427

レバーハンドル付き貫通扉と中央仕切り扉が重ねられた時は、上下で↑のような様子となります。以下、連結時における運転台区画の封じ込めに際して、[正面貫通扉が下・中央仕切り扉が上]に来る車両群で特徴的な見た目となる部分を上下1か所ずつ紹介します。

※C#2427
※C#2427
※C#2427

まず扉の上側です。こちらは壁に特徴があり、正面貫通扉を奥側に折り畳んだ際、その扉がピッタリ収まるよう助長する凹部が設けられています。これが1点目の特徴です。

この凹部は、貫通扉を開いた際のストッパーとしての役割もあるのでしょうが、中央仕切り扉が折り畳まれた様子を上から見ると、2枚の扉がピッタリと重なる状態が出来ており、見た目としては隙間少なくスッキリと畳まれた状態が出来ているように思います。

※C#8728
※C#8728
※C#8578

上記の凹部を運転台側から見ると、↑のような見た目です。画像は、2410系2次車と近い時期に竣工した8000系2両を写したものですが、2410系でも概ね同じ様子を見る事が可能で、正面貫通扉の折り畳み時は、扉が凹部に嵌っている様子を見て取る事が出来ます。また、8000系では、正面貫通扉・中央仕切り扉の両方で扉の上側に鍵穴が設けられており、これらは運転台側の壁と扉を固定する際に使用されているようです。

この鍵穴は、今〈メモ〉の取り上げ対象である2410系においては、車両の製造時期によって存在する車両と存在しない車両で2分されます。すなわち、1968・1969年度竣工車(=2414F-2421F&C#2591-2593)が鍵穴付き・以降の竣工車(=2422F-2430F・2410Fの先頭車)が鍵穴無しです。後者の車両群における扉の様子は、上記でC#2427を例に取り上げているので、ここでは、続いて前者の車両群における扉の様子を取り上げます。

※C#2414
※C#2414
※C#2414

前者の車両群も、先述した1点目の特徴である壁の凹部がある点は後者と共通ですが、凹部付近には正面貫通扉および中央仕切り扉の鍵穴に対応する部品が常設されており、凹部周辺は後者の車両群ほど見た目がスッキリしていません。この上側の鍵穴は、現在も機能している様子があり、実際、運転台側の壁と中央仕切り扉の鍵穴上部には、連結作業員に対して注意喚起をしていると思しき「錠引込み確認」と記載された白色テープが貼られています。

※C#2518
※C#2415

中央仕切り扉の白色テープに関しては、一応、扉が閉められた状態でも客室から見る事は出来ますが、かなり見えにくくなっています。とはいえ、このテープに記載された情報を必要とするのは専ら乗務員でしょうから、中央仕切り扉のテープが鍵穴の上に貼られているのは、扉を閉めた際に乗客視点でテープが目立たないようにする工夫なんだろうと思います。

また、連結で扉が重ねられている際は見えにくいですが、1968・1969年度竣工の車両群では、先述した8000系と同様、正面貫通扉上部(=向かって左側)に鍵穴が設けられています。連結時の扉の折り畳みでは、貫通路からみて[手前:中央仕切り扉・奥:正面貫通扉]となっているので、上側で壁と両扉を固定化する手順としては、[①:正面貫通扉を折り畳んで鍵かけ(壁と固定化)→②:中央仕切り扉を上に重ねて鍵かけ(壁と固定化)]という流れになるのかなと思います。

※C#2514
※C#2514
※C#2518
※C#2520

ちなみに、中央仕切り扉の鍵穴に関しては、先述した上側の他に下側にも設けられています。ただ、こちらは現在だと機能していないようで、鍵穴が残っている車両の一部には「忍錠取外中」と記載された黄色テープが貼りつけられています。下の鍵穴が機能していないという点に関しては、先述した8000系やその同世代竣工車両群でも同様で、2410系に限った話ではありません。竣工当初時点における鍵穴の有無に関しては、上側の鍵穴と同様(=2410系の場合、1970年度以降に竣工した車両群には上下ともに鍵穴無し)です。

また、下側の鍵穴は、現在まで残されている車両がある一方で、後の改造によりここを塞いだと思われる車両も多数存在しています。鍵穴を塞ぐ際のスタイルとしては、他の系列も含めれば、[①:鍵穴付き金属板の鍵穴部分をテープで塞ぐ、②:鍵穴部分のみを同形状の代替部品で塞ぐ、③鍵穴がある区画全体を金属板で塞ぐ]の3種がある様子です。他にもあるかもしれませんが、色々と見て回った感じだと、大体は上記3スタイルに当てはまっているように思います。

※C#2427
※C#2427

続いて扉の下側です。上側では、壁との固定の有無はあれど、正面貫通扉と中央仕切り扉は互いに隙間少なく隣接する体裁となっていましたが、これは下側でも同様となっています。

但し、正面貫通扉の上に中央仕切り扉を重ねる方法を前提とした時、隙間少なく隣接して両扉を重ねるとなれば、正面貫通扉が全て平な状態だと中央仕切り扉のレバーハンドルが同扉の面とぶつかってしまうため、折り畳み時における接触箇所には、予め正面貫通扉側に窪みが設けられています。これが2点目の特徴です。

※C#2427
※C#2514
※C#2426
※C#2430

正面貫通扉に設けられた窪みの面積(=縦長さ×横長さ)に関しては、両扉の隣接部を真横から見た限りだと、中央仕切り扉の取手がスッポリと収まるのにほんの少しだけ余裕を持たせた程度といった様子です。窪みの深さは分かりませんが、体積(=縦長さ×横長さ×深さ)に関しては、2414F以降だと共通しているように思います。位置も特に変更が生じている風には見えません。

※C#2515
※C#2527

この「正面貫通扉の窪みの位置が変化していない」という事は、すなわち「車内の中央仕切り扉も、その幅や取付位置が変化していない」という事になるのかなと思います。

各車の仕切り幅をきっちり計測・比較していないので何ともですが、実車をパッと見た感じでは、車体最大幅に変更が入った5次車以降(=約30mm拡大)とそれまでの車両群の乗務員室仕切りを見比べてみると、中央仕切り扉の位置は同じで、両端の窓と車体側面までの長さが変化しているように見えます。均等に長さが伸ばされたとすれば、5次車以降の当該箇所は、それぞれ約15mm幅広になったという事になりそうです。

※C#2427
※C#2514

他、先ほどからは正面貫通扉の窪み(=中央仕切り扉の乗務員室側レバーハンドルを収める窪み)について取り上げていますが、一方で、中央仕切り扉にも正面貫通扉の乗務員室側レバーハンドルを収める窪みが設けられています。こちらも、中央仕切り扉を正面貫通扉の上に重ねる方法を採る車両群では特徴となる見た目です。

※C#2427
※C#2422

ちなみに、この車両群では、中央仕切り扉の窪みの下に正面貫通扉と中央仕切り扉の固定連結をする際に機能すると思われる鍵かけが存在しています。

これは、実物や連結作業等を観察した感じだと、2枚の扉を重ねた時に自動でロックする仕組みを有している様子があり、重ね合わせの固定化を解除する際は、客室側において乗務員室側の鍵かけと同位置に存在している丸形状の鍵穴を用いているのだと思います。小さなアイテムですが、迅速な連結作業の実現を促すという点では重要な役割を果たしていそうです。

※C#2420
※C#8078

これに関してもう一つ補足しておくと、この鍵かけは、1970年度以前に竣工した車両群と同以後の車両群とで外観が異なります。すなわち、2410系だと、1970年度より前に竣工した車両群(=2411F-2421F&C#2591-2593)が銀色外観の鍵かけ・それより後に竣工した車両群(=2422F-2430F・2410Fの先頭車)が薄茶色外観の鍵かけとなっており、8000系ほか他系列でも同様の状況が見られます。

銀色外観の鍵かけを持つ車両群は、2410系2次車以降の場合だと、共通する特徴として、上側の鍵穴部分を通じて正面貫通扉および中央仕切り扉が別個で運転台側の壁と固定化されている点(上述)が挙げられます。この事や茶色外観の鍵かけを持つ車両群でこの固定化が無くされた事を踏まえるなら、上側(と当初は追加で下側?)の鍵穴部分による扉の固定化は、銀色外観の鍵かけの役割を補強する目的で行われている(≒逆に茶色外観の鍵かけでは機能性が高まって補強の必要が無くなった?)と考える事が出来そうですが、実情は不明です。


続いてスティックハンドルです。このタイプの取手を装備する先頭車は全体でみても少数派で、2410系だと第1次製造分である1967年度竣工車(=2411F-2413F)のみ備えています。

※手前:C#2512・奥:C#2413

この内、2411Fに関しては、2006年度に電気検測車「はかるくん」へ改造された際に正面の貫通扉が撤去されました。そのため、2021年時点で正面貫通扉にスティックハンドルを備える2410系は、2412Fおよび2413Fの先頭を務める4両となります。

※C#2513
※C#2413
※C#1105

2412Fや2413Fが備える物と同様のスティックハンドルが初出した時期は、他系列の車両も参考に見た限り、恐らく1967年度です。大阪線所属車で2410系以前に登場した1480系や2400系では、レバーハンドル付き貫通扉が採用されました。ここから2410系2411F-2413Fの竣工を経て、2414F以降で再びレバーハンドルの取手へ戻された事を踏まえると、スティックハンドル付き貫通扉は、従来とは異なる取手を付けた扉の試用も兼ねて一時的に採ったタイプなのではないかと思います。

スティックハンドル付き貫通扉を備えて竣工した先頭車両は、2410系の他にも幾らか製造されていますが、本採用に至らなかった故なのか、全体でみれば少数派です。同タイプの取手が採用された他車両の内、現在も活躍中なのは、2021年時点で1000系ク1100形として活躍する5両(=C#1104-1107・1108=元ク1910形C#1914-1917・1912)で、いずれも竣工は1967年12月付けとなっています。

〈Twitterより埋め込み・引用〉
〈Twitterより埋め込み・引用〉

正面貫通扉の取手がスティックハンドルとされた車両は、1967年度後半期に近畿車輛で製作が進められたと思しき車両群で集中しており、2410系以外だと、1810系1811F-1820F・6020系6021F・8000系8069Fの先頭車と2470系モ2470形C#2472&2474がスティックハンドル付き貫通扉を備えて竣工しています。これらの中で以降に増備が続いた系列に関しては、2410系と同様、竣工した各編成の先頭車貫通扉がレバーハンドルの取手に戻されました。1967年度以前より製作が進められていた8000系に関しては、8068Fまでの先頭車は一貫してレバーハンドル付きで竣工していたようです。

さて、外観上に特徴があるスティックハンドル付き貫通扉ですが、この扉を使った運転台区画の封じ込めは、2414F以降で見られるレバーハンドル付き貫通扉の場合と違って、中央仕切り扉の上に正面貫通扉を重ねる方法が採られています。

※C#2513
※手前:C#2513・奥:C#2429

この方法を採る一連の流れは、2410系1次車竣工以前から出来ており、1966年に系列が登場した1800系・2400系・6000系は、同様のスタイルで扉を重ねる仕様です。

1961年度以降、全室式運転台(=乗務員区画の中央貫通路空間および車掌台側空間の立ち入りを窓付きの中央仕切り扉と車掌台仕切りで適宜制限するスタイル)を当初から採用した一般車系列でこの仕様が採られたのは、恐らく上記3系列が最初と思われ、2410系1次車や先述した他車は、この流れを引き継いだ上で取手の改良が図られた車両群と考えるのが妥当なのではないかと思います。

※左:C#511(元C#1901)
※左:C#501(元C#1751)
※右:C#621(元C#6011)

これより前、すなわち1961年度以降1966年3月31日以前に竣工した車両群に関しては、先に紹介したレバーハンドル付き貫通扉のスタイルと同様、当該貫通扉の上に中央仕切り扉を重ねる方法で運転台区画の封じ込めが行われていたようで、貫通扉のハンドル近くには、扉重ね時に仕切り扉の取手を収める窪みが常設されています。


ちなみに、1961年度以前に半室式運転台(=乗務員区画の中央貫通路空間および車掌台側空間の立ち入りを車掌台側常設のステンレス棒を用いて適宜制限するスタイル)を採用して竣工した車両群に関しては、当初、正面貫通扉に取手を収める窪みが設けられていません。

〈Twitterより埋め込み・引用〉

これらの車両群が竣工した時点での運転台区画の封じ込めは、運転台側正面寄りに常設された機器類取付壁と半室式運転台の出入り扉のみで完結出来たようです。但し、運転台のレイアウトには差異があった模様。1960年度以前に系列が登場した車両群(EX:1460・1470・6441系・6800系[1次])に関しては、レイアウト上、連結時に開放となる正面貫通扉は、正面寄りに常設された機器類取付壁および半室の出入り扉(で一体となった壁)に重なる形で折り畳まれたか、単純に適宜の開閉を要する貫通路ドアとして使用されたものと思われます。

〈Twitterより埋め込み・引用〉

それに対して、1960年度に竣工した車両群の乗務員区画に関しては、半室式運転台の配置を念頭に置きつつ、全室式運転台を見据えたレイアウトの導入が図られた模様。具体的には、6441系2次車および6800系2次車までが各系列1次車に準じたレイアウト(=従前と同様の半室式運転台)での竣工で、年度末に新系列として竣工した1480系(1次車)および820系(1次車)から別スタイルのレイアウトが採られています。両系列に共通している変更点は、従前まで運転台側正面寄りに常設されていた固定の機器類取付壁が同側仕切り寄りへ移された事です。

1480系(1次車)の機器類取付壁に関しては、完全に仕切り寄りへ移ったわけではなく、位置としては、概ね正面と乗務員室仕切りの中央に設けられた模様。確信は持てていないのですが、壁を挟んだ正面と乗務員仕切りの間は、共に扉とされた様子があります。すなわち、各所に掲載されている写真を見る限りでは、機器類取付壁を中央とした時、その正面側の扉は(運転台区画の換気を良くする目的で?)腰上高さからの小型扉(→扉ではなく単純に小窓という可能性もアリ)、乗務員室仕切り側の扉は半室式運転台の出入り扉とされているように思います。運転台区画の封じ込めに関しては、従前と同様、機器類取付壁と両横の扉のみで完結可能で、中央貫通路空間および車掌台側空間の立ち入りは、車掌台側常設のバーを用いて適宜制限していたようです。

一方、820系(1次車)に関しては、乗務員室仕切りと隣接する形で壁が設けられています。こちらの運転台区画の封じ込めは、現在の「シリーズ21」と近いスタイルで、正面貫通扉と機器類取付壁をピッタリ合わせる形で行う事が可能となっており、正面貫通扉の折り畳みが無ければ封じ込めが出来ないスタイルとされました。その代り、こちらは貫通扉付きの新造高性能一般車群において先陣を切る形で全室式運転台が導入されています。但し、その仕切りは、中央仕切り扉と車掌台仕切りの双方が一体で折り畳む事が出来る仕様とされた模様。すなわち、当該車群の中央貫通路空間および車掌台側空間の立ち入り制限に関しては、次年度登場の全室式運転台導入車群と同様、窓付きの中央仕切り扉と車掌台仕切りを用いて行うスタイルが採られている一方、両仕切りの中央には蝶番が設けられており、連結時の空間開放時には、2枚の仕切り(=折れ戸)をまとめて車掌台側の乗務員室出入り口方向へ移す事が出来たようです。

※左:C#761(元C#724/820-1次)
※右:C#766(元C#727/820-2次)
※C#606(元C#6857/6800-4次)

その後、1961年度竣工車からは全室式運転台が大型車でも本格採用されていますが、この際、固定の機器類取付壁は廃され(≒機器類の取付が車体側面寄りに移され?)、中央仕切り扉と車掌台仕切りは独立して開くスタイル(=中央仕切り扉は運転台側へ・車掌台仕切りは車掌台側へ開くスタイル)へと変更されました。この変更当初における運転台区画の封じ込めに関しては、先述の通り、当該貫通扉の上に中央仕切り扉を重ねる方法で行われており、正面貫通扉には扉重ね時に仕切り扉の取手を収める窪みが常設されるようになっています。

但し、この期間に車体が新製された車両における例外として、1964年度にモ2200形C#2204の事故復旧車として登場したモ1420形C#1421が機器類取付壁を設けた状態で竣工しています(=運転台区画の封じ込め方法は、820系[1次車]と同様、正面貫通扉と機器類取付壁をピッタリ合わせるスタイル)。また、同車は、1460系や6441系と同様の車体を持つ車両ですが、時勢に合わせて当初より全室式運転台が採られました。さらに、設けられた乗務員室仕切りの中央仕切り扉には、開き戸では無く旧型車でよく見られた引き戸が採用された模様。高性能一般車の試作車としてク1560形を改造して竣工したモ1450形の中央仕切り扉も引き戸だったようですが、高性能一般車に準じた新造車体で乗務員室仕切りに引き戸を採用したという点では、同車は特筆出来る存在であるように思います。


※各系列登場時における運転室仕切りおよび正面貫通扉の外観確認に関しては、以下の書籍が1冊あたりで参考になる所が大きいと思います。

・「近鉄電車写真集6」…820・1460・1470・1480・6800・6900・6000・1800・2400・2410

・「関西の鉄道(No.33/No36)」…1460・6441(・モ1420[復旧車])/6800 ※図面アリ

・「近畿日本鉄道沿線アルバム 一般車両編―昭和~平成」…820・1600・1460・6441・6800

・「鉄道ピクトリアル臨時増刊号 近鉄特集2003・2018/車両研究2003」…全般

※登場時の820系が連結に際して中央仕切り扉および車掌台仕切りを折り畳んでいる様子は、↓の新車紹介ページに写真が掲載されており、参考になると思います。

・「近畿日本鉄道 奈良線用新車820系(RF/Vol.01-No.02…P50-51)」

※全室運転台化前における1460系が正面扉を開放している様子は、↓のブログに写真が掲載されており、参考になると思います。

・「昭和39年夏、近鉄高安車庫

(2015.04.07投稿記事/モハメイドペーパーの 何が出てくるか?)


〈Twitterより埋め込み・引用〉
〈Twitterより埋め込み・引用〉

ただ、上記で述べた車両群の多くは、1970年代前半に半室式運転台から全室式運転台(もしくは中間車化改造で客室化/820系[1次]は中央仕切り扉を[折れ戸→開き戸]化)に改造されたようです。改造後の扉の折りたたみ方法は2種類ある様子で、雑誌やネット等に掲載されている写真を見ていると、820系(1次)や1600系(1次)・6441系が正面貫通扉に窪みを設ける事なく同扉を手前(=運転室仕切り扉を奥/レバーハンドルは[-]方向ないし[|]方向起点の原型)に、1460系・1470系や6800系の一部(=列車無線設置車/1・2次車)が正面貫通扉に窪みを設けて運転室仕切り扉を手前(=正面貫通扉を奥/レバーハンドルは[|]方向起点の物に交換)に配置する仕様とされているように見えます。

これらの違いの発生要因としては、単純に考えるなら、大阪線・南大阪線側の工場(高安・古市)と奈良線・名古屋線側の工場(玉川・塩浜)で改造内容に差が出たためという事になるのでしょうが、実際の事情は不明です。


さて、スティックハンドル導入前の状況に関するメモが長くなりましたが、続いて扉が開けられている時(=他車との連結に際して、正面貫通扉を乗務員室仕切り扉と重ね合わせて運転台区画を封じ込める時)の様子を取り上げます。

※C#2512
※C#2413
※C#2512
※C#2512

スティックハンドル付き貫通扉と中央仕切り扉が重ねられた時の見た目は、運転台区画の上下および内外で↑のような様子となります。以下、連結時における運転台区画の封じ込めに際して、[正面貫通扉が上・中央仕切り扉が下]に来る車両群で特徴的な見た目となる部分を上下1か所ずつ紹介します。

※C#2412
※C#2412
※C#2412
※C#2413
※C#2413
※C#2413

まず扉の上側です。1968年度以降竣工車と比較するなら、こちらは運転台側の壁中央が独特の見た目となっており、ここには[中央仕切り扉→正面貫通扉]の順で両扉を折り畳んだ際に正面貫通扉と壁を固定するL字形部材が1つだけ設けられています。

また、先述した1968・1969年度竣工車群(=扉を重ねる際、正面貫通扉を下側に置きかつ上側に鍵穴を有する車両群/両扉の連結は銀色の鍵かけを介して実施)と違って、中央仕切り扉と壁が外側に凸となった部材で直接に固定化されていません。加えて、こちらの鍵かけは中央仕切り扉の下端にある(→後述/運転台下と中央仕切り扉を固定連結する)ため、正面貫通扉と壁の固定化はL字形部材のみで行われています。すなわち、1967年度竣工車群においては、正面貫通扉と中央仕切り扉が直接に連結されていないかつそれぞれが独立して壁と連結されている状況があり、これらが1点目の特徴として挙げる事が出来ます。

※C#2513
※C#2513
※C#2513

但し、中央仕切り扉を客室側から見ると向かって右上に鍵穴が存在している事からも自明ですが、中央仕切り扉と壁の固定自体は上側でも行われています。ここは、L字形部材の箇所と同様、ピンを用いて固定化するようで、壁側にはピンを差し込む穴が埋設済です。この鍵穴部分には、1968・1969年度竣工車群と同様、連結作業員に対して注意喚起をしていると思しき「錠引込み確認」と記載された白色テープも貼り付けられています。ここの白色テープが閉扉状態だと客室からほぼ見えない点や下側の鍵穴が現在機能していないと思われる点についても同じです。

壁側に常設されているL字形部材に関しては、正面貫通扉の上部(=外から見て向かって左側)に常設されている鍵穴と明確にリンクして機能している様子があり、実際、運転台側の壁と中央仕切り扉の上部(=客室から見て向かって右側)においても「錠引込み確認」と記載の白色テープが貼られています。

※C#2513
※C#2515

ちなみに、このL字形部材を機能させる際に使用すると思しき正面貫通扉に常設された鍵穴は、それを含む金具が縦方向の取付となっています。

前半で紹介した通り、1968・1969年度竣工車群にも同機能を果たすと思しき鍵穴は設けられていますが、こちらの金具は横方向での取付です。ピンを用いて扉を固定する方法自体は、双方で大して変わらないように思いますが、外側の鍵穴を含む金具が縦方向取付となっている点に関しては、2410系だと、正面貫通扉を手前に重ねる1967年度竣工車群のみの特徴として挙げる事が出来ます。

〈Twitterより埋め込み・引用〉
〈Twitterより埋め込み・引用〉

続いて扉の下側です。こちらは、正面貫通扉の裏側(=乗務員室側)に特徴があります。すなわち、正面貫通扉の裏側には、[中央仕切り扉→正面貫通扉]の順で両扉を折り畳んだ際、中央仕切り扉の裏側(=乗務員室側)常設の取手を収納するための窪みが設けられています。これが2点目の特徴です。

前半で紹介した、中央仕切り扉を正面貫通扉の上に重ねて運転台区画を封じ込める車両群では、正面貫通扉の表側に窪みが設けられていましたが、こちらでは裏表が逆となっています。この正面貫通扉の裏側に窪みを持つスタイル(=以下、「裏側窪み」と呼称)は、スティックハンドル付き貫通扉はもちろん、先述した1800・2400・6000系でも取り入れられており、恐らく、これらの車両群から一時的に(中央仕切り扉の上に正面貫通扉を重ねる方法も含めて)裏側窪みが採用されたのではないかと思います。

※C#2513
※C#2513
※C#2513

但し、レバーハンドル付き貫通扉を採った1800・2400・6000系とスティックハンドル付き貫通扉を採った1810・2410・2470系などの車両群とでは、裏側窪みの数に違いがあった模様。すなわち、前者の車両群では、正面貫通扉の乗務員室側の取手が外側に凸となる仕様で常設された(=裏側窪みは1つ)のに対し、後者の車両群では、同取手が外側に出ない仕様(=裏側窪みの中に乗務員室側の取手を常設するスタイル/裏側窪みは2つ)とされています。

また、設けられた取手の種類も双方で異なっており、前者の車両群では外側の取手と連動するレバーハンドル・後者の車両群では外側の取手と連動しないスティックハンドルが採られました。取手の位置に関しては、レバーハンドルは外側と同位置・スティックハンドルが窓下の比較的低めの位置です。

※C#2413
※C#2513

乗務員室側のスティックハンドルの位置に関しては、扉を見た限り、外側のスティックハンドルと概ね同位置であるように思います。取手の大きさは、裏側窪みの中に収める都合もあってか、乗務員室側の方が一回り小さめです。また、正面貫通扉のハンドルとラッチは完全に分離しており、ドアの開閉をする際は、取手を握ってから単純に[押す・引く]のどちらかとなります。詳しい事は分かりませんが、スティックハンドルが付く貫通扉のラッチへの負担は、これと連動するレバーハンドルより大きそうな印象を受けます。

他、1967年度竣工車の中央仕切り扉(室内側)に関しては、正面貫通扉(室内側)が以上述べたような構造となっているため、1968年度竣工車以降と違って、扉の重ね合わせ時に取手を収める窪みが存在しません。これもスティックハンドル付き貫通扉を備える車両群では特徴となる見た目です。

※C#621(元C#6011)
※C#2512

ちなみに、扉の重ね方が同じで正面貫通扉の取手がレバーハンドルだった車両群に関して言うと、客室側の中央仕切り扉に特に窪みが設けられていない事から察するに、連結作業で両扉を重ね合わせる時の乗務員室側のレバーハンドルは、中央仕切り扉に(ぶつかるか)擦れ擦れの状態で毎度(接触)隣接する事になっていたのではないかと思います。実情は不明ですが、スティックハンドル付き貫通扉で乗務員室側の取手が窪みの中に収められるようになったのは、もしかしたら上記状況が反映されて改良が試みられた結果なのかもしれません。

中央仕切り扉に関してもう一つ補足しておくと、運転台区画の封じ込めに際して扉の重ね方を[正面貫通扉が上・中央仕切り扉が下]としている車両群は、逆の重ね方をする車両群と比較した時、この仕切り扉の幅が運転台側に向かって若干広めです。この状況は、正面貫通扉の取手がレバーハンドルの場合でもスティックハンドルの場合でも共通しており、仕切り扉の幅は、恐らく双方で同じだと思います。


ところで、幅広の中央仕切り扉を持つ車両群で個人的に興味深いと思える内容は幾らかあるのですが、様々な要素の絡みを念頭に置いた上で関心が持てる話題の1つに、同扉の固定連結をする際に機能すると思われる鍵かけの有無が挙げられます。現在の状況を見ても、鍵かけが維持されている車両と撤去されている車両の2種が依然として活躍中です。蛇足にはなりますが、この話題についても最後にメモしておく事にします。

今〈メモ〉の取り上げ対象である2410系の場合であれば、前半で述べた1968年度以降に竣工した車両群(=2414F→2430F・2410F)に関しては、全車が鍵かけを用いて正面貫通扉との重ね合わせ&連結を行っていますが、一方で1967年度竣工車は必ずしもそうではありません。そもそも、こちらの中央仕切り扉は、鍵かけを介した連結箇所が以降の竣工車群と異なっています。

※C#2513
※C#2513
※C#2513
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具体的に言うと、こちらに常設されている鍵かけは、メーター類が収められた運転台下端に常設されているラッチ受と接続するスタイルです。その設置位置は、連結箇所が正面寄りであるという事を反映して扉の下端となっており、客室側から中央仕切り扉を見ると、これと連動すると思しき丸形状の鍵穴も扉下の端寄りに設けられています。鍵かけ自体は、1968・1969年度竣工車で採られた物と同形状・同色です。

上記のスタイルであるため、1967年度竣工車の中央仕切り扉は、現在において、正面貫通扉との絡み無く単独で固定実施が可能かつ上側のピンと鍵かけ部分の2か所で固定可能という状況となっています。これが竣工当初から採られているスタイルなのであれば、中央仕切り扉が幅広とされたのは「同扉の固定箇所を増やす一環で運転台下端のラッチ受けと接続する際に横長さが必要になったため」という事になりそうですが、一方で、この鍵かけ自体は、今だと必ずしも必要とされていないのか、一部車両で撤去が行われています。

※C#2512
※C#2513
※C#24(元C#2411)

↑は、改造車含めた2410系1次車の中央仕切り扉下部を写した記録ですが、2410系であればC#2512、24系であれば両先頭車とも鍵かけが撤去されました。後者に関しては、貫通扉自体が撤去された影響で壁との固定連結機能自体が廃されており、鍵かけの他、向かって右上の鍵穴も無くされています。同様の改造は、養老線管理機構所有車群の一部でも実施されており、こちらは編成によって撤去箇所にバラつきが見られます。

この話題に関して、個人的に気になるのは、鍵かけ撤去のタイミングです。恐らく、24系の場合は2411Fからの転用改造時、養老線管理機構の車両は車体更新時あたりであるように思うのですが、鍵かけを無くす改造自体は結構前から行われていたようで、1810系や2400系の一部は鍵かけが撤去された状態で引退しています。ネット上で色んな画像を見る限り、ここ数十年は残されている車両の方が少ない印象があるので、個人的には一定期間にまとめて改造が行われた(EX:同世代車の車体更新時に併せて行う改造の1つだった?)のではないかなと思っているのですが、実情は分かりません。


今回の内容は、色々と車両を視たり撮ったり比較したりしていく中でふと気づかされるような要素への着眼でした。この手の要素は、撮ってすぐ気づかされた時には違和の感覚を強く意識する事が多いのですが、一方で、私個人は「何か他と違う」と認識する事に留まって一旦は感覚の流れを終わらせる事が多いので、その後の比較等を交えた整理を後回しにしてしまう事がしばしばです。

例えば、今回取り上げた2410系は、一定の車両数が製作されて長年の活躍期間中に様々な改造が行われてきた系列であるので、人によっては、比較的掲載量が多めとなった今〈メモ〉の画像を見ていて、正面渡り板を吊り下げるチェーン掛けの位置や車内温度計の種類や新旧化粧板の混在状況といったような差異要素がふと心に留まったという事もあったのではないかと思います。

コロナ禍の今は、在宅であれやこれやと考える時間も確保しようと思えば十分に取れるので、これまでに蓄積された着目要素で書き残しておきたいと思うような話題があれば、また〈メモ〉なり〔雑記〕なりへ反映してみようと思えます。

今回の〈メモ〉は以上です。


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近鉄電車が見える家で育った鉄道オタク。車両の差異や変遷に興味あり。鉄道の他に鳥も好きで、最近は鳩に癒される事がしばしば。
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