こんばんは
今回の〔雑記〕は表題の通りです。
ここ2ヶ月程は正月返上でめっきり撮り鉄が出来ておらず、久々の運行となった「開運号」・突然に”12年毎の運行”と題されて設定された信貴山口行き準急・日中に走行した21000系の増結用編成・臨時快速急行として難波線や奈良線を走行した「楽」など、記録しておきたいと思った列車や車両や場面は軒並み記録する事が叶わなかったので悶々としていたのですが、先日より余裕が出来たので鉄活復帰しました。
今回の〔雑記〕では、最近の撮り鉄で注目できた話題として、南大阪線系統で活躍する6419系6419Fの変化を撮影記の体裁で適当に書いてみようと思います。
■ 第11〔雑記〕
今回取り上げる6419系は、南大阪線系統の各路線でフレキシブルに活躍する6400系列群の1系列です。6400系の車体や性能等を基本とした時、6419系の主な特徴として挙げられる内容は3点あり、1つ目に6407系で新規採用された台車系列(=KD-98系)を履いている点、2つ目に6413系で新規採用された全線共通仕様の車体(=標準軌線では1233系より採用された車体)を有する点、3つ目に従来系列まで採用されてきた補助電源装置の種類を変更(=MG[電動発電機]からSIV[静止型インバーター]へ変更)した点が挙げられます。この系列の後続で登場した6422系は、6419系の仕様を基本に各車両の台車をボルスタレス台車へ変更した事で形式変更が生じ、系列も変更となりました。
さて、そんな6419系ですが、トップナンバーに当たる6419Fは昨年末(=2021年12月20日)に五位堂検修車庫へ入場していた模様。しばらく鉄活から離れていたので入場の事は知らなかったのですが、思い返せば、この編成は昨年の今頃に五位堂出場後の姿を記録していました。
この時は、五位堂での検査・お色直し等を終えた後で、車体や台車は塗り直しが行われて綺麗な状態です。この手の検査入場は、南大阪線系統の一般車であれば約4年前後を周期に行われている印象があるのですが、昨年末の入場であれば、検査明けから1年も経たない内に再入場した事になります。
出場の様子が見られ始めたのは、五位堂入りから1ヵ月少し経過した後でした。その一方、車体や台車等の塗り替えは無い状態だった模様。何かしら変化があるのかどうか少し気になったので、五位堂出場後の同編成を見に行ってみる事にしました。
現地へ到着した際の6419Fは、畝傍御陵前方にある引き上げ線にて電貨に挟まれた状態で留置されていました。通常なら4年前後で行われる検査入場から約1年という事で、やはり検査・お色直し等に伴う五位堂入りでは無かったらしく、電貨の荷台に乗る台車は汚れた状態で6419Fの2両の車体もお色直し直後の車両に見られるような艶艶具合はありません。
到着した後は、続いて6419Fの細部を視ていく事に。結果、車内と車外で計3点の変化を発見しました。他にもあるのかもしれませんが、とりあえず今回の〔雑記〕では、出場直後で明らかに従前から変化していると認識出来た3点をざっと書き出しておく事にします。
まず1点目は車内です。運転室を外側から見ると、客室との仕切り壁の窓に「ワンマン用車掌スイッチ」の札が貼付された装置の追加が確認できました。運転台側の正面の壁には「ワンマン/ツーマン/デッドマン電源」と書かれたスイッチが付く装置も追加されています。共に昨年の五位堂出場時点では無かった装置であり、6419Fは、今回の五位堂入場でワンマン運転に対応するための改造が施された事が窺えます。
南大阪線系統のワンマン運用は、1996年10月4日より開始した[橿原神宮前-吉野口]間での運転を皮切りとして展開しており、当初は6422系にワンマン運転に対応する機能を追加した6432系2編成(=6432F-6433F)を新製の上で運用が始まりました(以降、吉野線内一部区間のワンマン運転は2010年3月19日ダイヤ変更まで実施)。その後、1999年3月16日ダイヤ変更で道明寺・御所線でのワンマン運転が開始される事になると、6422系4編成(=6426F-6429F)に追加でワンマン運転対応の改造を実施。さらに、2002年3月20日ダイヤ変更にて南大阪線[古市-橿原神宮前]で一部普通列車のワンマン運転化が行われる事になると、6422系4編成(=6422F-6425F)が追加でワンマン運転対応編成とされています。
ワンマン運転対応となった6422系の車両は、いずれも改造後に形式を変更して6432系へ編入されたようで、そこから現在に至るまでの南大阪・吉野線のワンマン運転対応編成数は10本で維持されてきました。6419Fを対象に(皮切りに?)行われた今回のワンマン運転対応編成の追加は、南大阪線系統だと約20年ぶりの実施という事になります。
ちなみに、運転室と客室を仕切る壁の左右窓に関して言えば、2000年前後にワンマン運転対応編成となった車両群では、追設機器類が窓からはみ出て見えないようにする目的あっての事か、当時最新のツートンVVVF車両群と同様に窓が小形化されていますが、2000年代中盤にワンマン運転対応編成となったVVVF車両群では原形のままで小形化されていません。今回の6419Fに行われた改造は、近鉄全体で見ても久々のワンマン運転対応化工事でしたが、仕切り壁の窓の処理については、後者のスタイルが採られています。
車内については、外から視る事が出来る箇所も限られているので、これ以上の変化は見つけられませんでした。客室に関しては、列車の行先や駅の情報等を案内するLED・LCD式車内表示機の追設やC#6419に対するフリースペースの設定といった変化は見受けられず、今回は、これからの運用で柔軟さを持たせる事を目的とした機能面での改造が主となっているように思えます。なお、見に行った時点では、伊勢志摩地区の対応車でワンマン案内幕を表示しない車両が運転室車掌台側で正面に掲示している「ワンマン」案内札を取り付けるような様子はありませんでした。
続いて車外の変化です。こちらは3点認識しており、1点目の変化として、ホームセンサー(=車上型ホーム検知装置)の追設が確認できました。近鉄のワンマン運転対応編成に対するホームセンサーの追設は、2012年度より正面取付・側面取付(車体内蔵・車外取付)の3スタイルで行われ、結果的に側面の車外取付が一般的となって現在に至りますが、今回ワンマン運転対応となった6419Fも漏れなく取付対象となったようです。
センサーは、これまでの側面車外取付編成と同様、乗務員扉下の梯子を丸ごと更新する形で追設されており、梯子の長さや手歯止め入れの位置も従前取付のものから変化しています。
2点目は、先頭車正面貫通扉の窓周りの変化です。両先頭車の貫通扉を見てみると、まず運転台側や車掌台側と違って窓の押さえの部分が白色となっている事に気づかされます。検査・お色直し時には、ここも車体色の赤色で塗り直されますが、今回の入場では塗装が省略されたのか、出場時には白色で目立つ状態でした。
また、貫通扉正面向かって上部左側のワイパー取り付け部の形状も今回の入場で変わりました。この部分のワイパーは、既存のワンマン運転対応編成は過去の対応化改造時に操作方式が手動操作式から自動操作式に変更されており、外側から見た様子では、今回の6419Fも漏れなく自動化された事が窺えます。窓の押さえの部分は、ここのワイパーの自動化に伴う形で、窓の交換か一旦取り外しが行われた事により刷新されたと推測できます。
3点目の変化は、Tc車床下に対する「扉制御リレー箱」の新規設置です。既存のワンマン運転対応車にも設置されている箱ですが、今回はC#6519に対して真新しい外観の箱が追設されました。南大阪線系統であれば、ク6532形各車(=C#6522-6529/6532-6533)に存在しており、その取付位置は公式側側面に見られるCPの斜め後ろです。箱の外形は、比較して見たところでは従前までのものと同じですが、取付時期に大きな差がある事もあってか案内札には違いがあり、C#6519の箱に付く札は銀色背景の一回り小さいものとなっています。
なお、Mc車床下(非公式側)にも今回の入場で新設されたと思われる真新しい外観の機器箱を確認していますが、こちらはまだきちんと細部を見れていません。
以上、最近の6419Fの変化について、自分が着目出来た範囲でざっと取り上げました。今回のワンマン運転対応化改造は、南大阪線系統では久々の実施となったわけですが、この背景には、近い将来に吉野線全線通してのワンマン運転を実施する計画が視野に入れられている事が考えられます。
Twitterを見ていると、2021年秋頃から吉野口より下り方の吉野線各駅にてワンマン運転業務の支援を目的にしていると思われる後方確認用ミラーを追設する動きが相次いでいた事が報告されており、吉野線全線を通したワンマン運転化への布石を打っている様子が明瞭に見て取れます。ワンマン運転の開始時期や実施時間帯など、最近の動きに関連するであろう具体的な内容は今のところ発表されていませんが、今回の6419Fのワンマン運転対応編成化は、ワンマン運転区間拡大に伴う車両不足を補う事がまず目的にあると思われます。
現時点における昼間の吉野線では、2021年7月3日ダイヤ変更以降、既存のツーマン4両編成の普通列車(=南大阪線内は急行列車)に加えて2両編成の普通列車(=吉野線内完結列車)がツーマンで再び運行されるようになっており、現況を鑑みると、少なくとも後者の体裁で運行される列車はワンマン運転化される事が予想されます。近い将来のワンマン運転拡大を見越して、ワンマン運転に対応できる編成がさらに増える可能性は十分に考えられますし、今後の動向には注目しておきたいところです。
なお、この〔雑記〕を書いた時点では、6419系6420Fが1月下旬より五位堂に入場(=24日回送)しており、直近の検査・お色直し等実施年月が2020年9月である事を考慮すれば、同編成もワンマン対応編成化される事が予想されます。
最後、余談ではありますが、ワンマン運転対応編成が増えるとなった時、個人的に気になる事として各車両が所属する系列が挙げられます。確認した限り、今回の改造でワンマン運転対応となった6419F各車の車外形式銘板は、従前と変わらず6419系に所属する事を示すものが取り付けられていました。一方、現時点で6422系として活躍中の2編成(=6430F-6431F)が今後共に改造対象となって従前の体裁で形式変更が行われる事になるのであれば、6422系という系列とそこに含まれる2形式(=モ6422形&ク6522形)は、6432系に編入される形で消滅する事になります。
ワンマン運転対応編成の所属系列に関しては、個人的にはよく分かっていない事が多い(EX:「1021/1031系」という系列が実在するのか確証を持てていない)ので、〈メモ〉か〔雑記〕あたりでこれまでの浮上系列と実際の状況を適当に整理してみたいと思っていたのですが、再びワンマン化に伴う車両の系列移動の動きが出るかもしれない状況が訪れそうな今、関連して進めてみようかなと思い始めています。
今回の〔雑記〕は以上です。
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このページの内容は以上です。
はじめまして。
6422系6430Fと6431Fはワンマン化改造をされているのでしょうか?
まんじゅうさん
初めまして。コメントありがとうございます。
ご質問された6422系2本は、現時点(2022.05.01)ではワンマン運転に対応する改造は行われていません。2022年4月23日ダイヤ変更での吉野線内一部列車の全区間ワンマン運転開始に伴って新しくワンマン運転対応編成となったのは、6419系に分類される3本です。これにより、吉野・道明寺・御所と南大阪古市以南の各区間におけるワンマン車の運用は、従前の10本体制から13本体制に増強されました。
最近の改造の動きをもう少し具体的に述べると、ワンマン運転対応編成となった6419系3本の内、最初に改造を受けたのが今記事でも取り上げている6419F(2021.12.20五位堂入場→2022.02.02同所出場)、続いてが6420F(2022.01.24五位堂入場→2022.03.02同所出場)、最後が6421F(2022.02.17五位堂入場→2022.04.18同所出場)でした。ダイヤ変更に間に合わせる形でのワンマン車の追加投入は、今のところ以上の3本で完結しています。
現状では予備を含む13本体制でワンマン運用を回す事が出来ている様子であり、個人的な見解ですが、再度の列車整理が直近で行われないのであれば、6430Fと6431Fはしばらく今と同じ状態を維持するのではないかと思います。